一歩、裏にはみ出しました。

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裏にもしっかりはみ出しました。

いっぽツアーの中に森田志保さんのシリーズ「ねじ」(しかも今回は裏)を組み込ませていただきました。志保さんのスタジオでの暖かな会でした。

出演者四人(森田志保・ジャンサスポータス・喜多直毅・齋藤徹)の相性が良いのでしょう、前回のリハ中にもうすでに将来のことを思い浮かべました。いくらでも待つ事、相手に任せる事ができ、自分が「行こう」と思えばすぐに察知してくれ思う存分出来る、しかも新たな挑戦と発見ができる、こういう好相性は実はかなり稀なことです。

例えば、ジャンと志保のソロが続くところがあります。まず、ジャンが志保をタンゴダンスに誘います。さて始まるかというところで志保さんが拒否、ジャンのソロになります。タンゴダンスはデュオが基本なのにジャンはソロでタンゴをおどります。(エル・チョクロでタンゴ・ミロンガなどいろいろなリズムに即座に対応)。その後、ガルシア・ロルカ採譜のスペイン民謡から「カフェ・デ・チニータス」になると志保さんがソロでフラメンコの香りのするソロを存分に踊ります。まさに2人の突出したダンサーが自らの技量と思いをかけて競っているようで演奏していてもゾクゾクしました。

フラメンコはソロが基本なのにさまざまな場面でのデュオが即興的にしかも実に自然に続きます。ジャンの大きさに身を投げ出し、志保さんのダンス(フラメンコだけでない)への熱や夢が続続と実現していくように見えました。

志保さんへの本番中の「無茶ブリ」も続いています。1回目セバスチャンの時は、ベースや弓を持たせたり、2回目では2人羽織のようにベースを弾いてもらい、今回はハックメオ(ベトナムの指鈴)を本番中に渡しました。良いリズムで鳴らしていました。さすがです。

フラメンコダンスの時の「目」はどうしているの?と聞くと、決して閉じず、やや下方を見るように習うと言うこと、それは自分の内面を観るように自分では解釈しているという志保さんのお答え。フラメンコ歌唱とギタリストの密な関係(ギタリストは歌手の口元を凝視します)と文楽の近似と相違の話まで及びました。

フラメンコというロマとアラブとユダヤが作りだした音楽・ダンスが「健康さ」を保っているのはここにも現れているように思います。

目を閉じて自分に耽溺してはイケナイのです。身の回りそして、自分の内面をいつも注意深く、同時に、意味を形成するほど強くはなく見続けること、それはたいへん大事なことでしょう。身の回りでは一瞬一瞬様々なことが起こっては消えていきます。その中には、可能性を残したのみで消えていくものもあれば、無駄に起こってしまったこともあります。目を閉じることは、身の危険さえもあるでしょう。

フラメンコの音楽もダンスも、決して「効果」焦らず(電化せず)、「ジタバタする」ところが実はたいへん大事です。魅力や価値が持続する理由でもあります。

話が逸れました。

おかげさまでいっぽツアー第二部が無事に開幕できました。出演者・関係者・聴衆のみなさまありがとうございました!

ジャンさんはこの10年以上恒例の真夏の来日が今年はムリ(オペラの振付があります。)なので、今年ジャンさんに首都圏で会えるのは今日と明日だけです。

さて本日は横濱エアジンです。

http://travessiart.com/ippo_tour/
「ショーロとインプロとダンスと」
5月29日(金)19:00 open / 19:30 start
■会場:横濱エアジン(神奈川県横浜市中区住吉町5-60)
■出演:Jean Sasportes(ダンス)齋藤徹(コントラバス)かみむら泰一(サックス)
■料金:予約3,000円/当日3,500円(+ドリンク)
■予約:045-641-9191

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