もう一つのインプロヴィゼーション いっぽはみだすために(2)
さらに遡ってみます。
私がドイツ・ブッパタールに1ヶ月のレジデンス(国際交流基金助成)をしているときに矢萩がジャン・サスポータスに会いにドイツへやってきました。ジャンと徹が竜太郎のためにセッションを組みライブパフォーマンスをしました。
https://www.youtube.com/edit…
聴衆・共演者ともに深く記憶に残るパフォーマンスでした。共演者の一人ウテ・フェルカー(アコーディオン)が大いに触発され、尽力して2014年にドイツ4都市(ブッパタール・ボーフム・ケルン・ドルトムント)でのツアーを組みました。
https://www.youtube.com/watch?v=RsfrW5ra9UQ
https://www.youtube.com/watch?v=_MQf41pdCq0
国籍、年齢差、ジャンル、障がいの有る無しに関わりなく、共感に満ちたパフォーマンスができたこと、個人の『自己表現』に囚われない大きな視点を共演者・聴衆・スタッフと分かち合うことができたことは特筆すべき大きな成果でした。
インプロの共演者ならいくらでも見つかるヨーロッパにいるのに竜太郎さんや私との共演を願っていると言う点からでもウテさんの音楽・人生・インプロへの動機が見えます。
ヴォルフガングさんはブッパタールでのジャンさんの親友です。ほとんど毎日、近所に住む彼とは愛犬スロッギーと森を散歩しています。演出家として、俳優として、演奏家として様々な舞台に関わるヴォルフガングさんも「普通」のヨーロッパインプロバイザーとは一線を画します。
インプロか作品かは対立項ではありません。インプロの対義語は作曲ではないのです。インプロの対義語は「常識」であり、さらにいえば「自分自身」なのです。そんなことを体感できるセッションになるでしょう。