挟み撃ち!vol.3
喜多直毅さんと持続しているシリーズ挟み撃ち!の第3回はギターの今井和雄さんを迎えてポレポレ坐で行います。
私にとってとても象徴的な組み合わせになります。今井さんとは生まれが1ヶ月違いの同年齢、なんと父親同士も同じ会社に勤めていたというのですから、共通項が多いです。高柳昌行さんの縁で会いました。私がjojoさん(高柳さん)とデュオをはじめた頃に、高柳教室を唯一人卒業した(しかも2回分だそうで、もう良いよ、とjojoさんが言ったとか)という伝説の人でした。ピックでヴィラ・ロボスを楽々弾いてしまうということ。美学校で小杉武久教室にいたということです。
2人のカリスマに師事しながらも独自の音楽世界を作り上げてきた訳です。ヨーロッパでの評価はもの凄く高い演奏家です。
1ヶ月違いの同年齢と言っても、蠍座A型の私と大分違う天秤座AB型です。すべてにバランスが取れていて、演奏の直前まで他のことをやっていても大丈夫。例えば1時間の完全インプロの直前までボサノバやバッハを弾いて遊んでいても大丈夫。これには私も多分に影響され、今は出来るようになりました。
長らくplanBでデュオをやって来ましたが、私の引っ越しを境になんとなく中断。ディスクとして”Orbit 1”(ミッシェル・ドネダとのトリオ)”Orbit 2”(バール・フィリップス、ジャック・ディミエール、ウルス・ライムグルーバー、ローレン・ニュートン 各一人ずつとのトリオ)、”Orbit 0”(デュオ)、” Le chance pour o’mbre “(ミッシェル・ドネダ、レ・クアン・ニン、沢井一恵とのクインテット、カナダ録音)を残しています。(デュオの映像も2種類撮ってあります。)
直接のきっかけはロジャー・ターナーさん来日ツアーでした。私は喜多さんとのトリオ、今井さんとのトリオを演奏しました。その時に今回のトリオ実現の「時は今」を感じたのです。
今井さんが、高柳・小杉さんという日本のジャズ・現代音楽・即興・美術・サブカルチャーの「前衛」と親しいということはとても大きなモノを担っています。一方の喜多さんは、その流れとは一切関係なく現れた演奏家です。即興演奏を始めてからそれほど経っていませんが、急速に成長していて、ロジャーとのトリオの演奏中、「OK」を思いました。
ポレポレ坐「徹の部屋」ももう36回目。このシリーズでは完全即興をほとんどやっていません。私・スペース・聴衆すべてが随分成長したと思います。どんな出し物が来ても大丈夫になっています。これは、正真正銘トラベシア(橋渡し)ミッションのど真ん中です。
さまざまな準備が整いました。歴史の1ページになるでしょう。
■日時:2015年4月15日(水)19:00 open / 19:30 start
■出演:今井和雄(ギター)喜多直毅(バイオリン)齋藤徹(コントラバス)
■料金:予約3,000円/当日3,500円(ワンドリンク付)
■予約:03-3227-1405(ポレポレタイムス社)Email : event@polepoletimes.jp
☆今井和雄(ギター)
70 年代から即興を始め、1991年サウンドインプロヴィゼーションシリーズ「ソロワークス」を開始。1997年より集団即興の為のプロジェクト「マージナル・コンソート」を企画。2005年に鈴木學(self-made electronics)、伊東篤宏(optron)と「今井和雄トリオ」を結成。2014年から不確定な作品の公開練習「リハーサル」を大崎l-eで開始。その他、国内外で活動している。
☆喜多直毅(ヴァイオリン)
国立音楽大学にてヴァイオリンを専攻後、英国にて作・編曲を学ぶ。その後ブエノスアイレスにてフェルナンド・スアレス・パス氏のもと、タンゴ演奏法を学ぶ。タンゴ演奏家としての活動後、翠川敬基(チェロ)、常味裕司(ウード)、鬼怒無月(ギター)各氏のグループに所属し活動。近年は自身の四重奏団およびヴァイオリン独奏に力を注ぐ。ヨーロッパを中心に海外公演も数多い。他に齋藤徹氏(コントラバス)のプロジェクトへの参加、黒田京子(ピアノ)とのデュオでも活動。
☆齋藤徹(コントラバス)
舞踊・演劇・美術・映像・詩・書・邦楽・雅楽・能楽・西洋クラシック音楽・現代音楽・タンゴ・ジャズ・インプロビゼーション・韓国文化・アジアのシャーマニズムなど様々なジャンルと積極的に交流。ヨーロッパ、アジア、南北アメリカで演奏・CD・DVD制作。
コントラバスの国際フェスティバルにも数多く参加。コントラバス音楽のための作曲・演奏・ワークショップを行う。齋藤徹・喜多直毅・さとうじゅんこの「うたをさがしてトリオ」では2作のCDを発表。自主レーベルTravessia主宰。