ギャラリー悠玄でのデュオwith直毅
演奏生活のごく初期から、私は美術の人に助けられて来ました。美術の人達の関心や興味が音楽関係者と違う所にあるためなのでしょう。あるいは、美術系の人達は、音の事実よりも音の真実を汲み取ってくれるためもあるでしょう。私の演奏生活のごく初期は、お世辞にも音楽的に良かったとは言えません。今思うと冷や汗しかでません。でも、良いよ!面白いよ!と言ってくれました。私の出した音から実際以上のものを感じてもらっていたのでしょう。
どれだけ励ましになったか知れません。私の事情として、ジャズ系の初期の共演者が高柳昌行・富樫雅彦さんでした。「いつかは共演したいというような巨匠」と共演するという幸運に最初から恵まれていました。しかし、それは同時に、いっしょに苦労ながら、切磋琢磨した仲間がいなかったわけなのです。巨匠達はとても厳しく、時には何を言っているのかわからない感覚にも囚われました。そんなある種の孤独な中、美術系の知人との話合いは私の生きる糧でした。
悠玄でのライブも回を重ねて来ています。どんな音楽・演奏をすればこの場では一番良いのか、最初の頃は試行錯誤していましたが、遠慮は要らないのです。思い切りやれば良いということ。うたであろうと、作品であろうと、即興であろうと関係ない。そういう自由さが美術系の環境にはあります。嬉しいじゃありませんか・・・
悠玄は美術系+文学系も備わっています。そんな悠玄が今回初めてメンバーをリクエストしてきて喜多直毅さんとのデュオになりました。
今回、ここで演奏して、このデュオに関してもう「言うことはない」と感じました。音も即興性も音楽性もうたも熟しています。世界中どこへ行っても、どんな環境でもOKです。
演奏のご要望をお待ちしております。世界がお待ちです。