double the double bass in Japan 2014 第14回
いよいよ千秋楽です。初日が開けたときは、本当に最後まで行くのだろうかと想像も出来ませんでしたが、無事に本日ホールエッグファームに向かいます。ここには私は数多くの想い出があります。フレッドバンホーフ、バール・フィリップス、ミッシェル・ドネダ、ジャン・サスポータス、レ・クアン・ニン、ベースアンサンブル弦311・・・・。ちょうど2年前はバール・フィリップス3デイズをして頂きました。その中日が10月27日で、私とバールの誕生日を演奏で祝いました。そして今年、10月25日はドラムスの山本達久さんの誕生日でした。聞くとピアノの石田幹雄さんも蠍座とのこと。蠍が三匹でした。今年バールは80歳になります。
私が自らドラムスを呼んだことは極めて稀なことです。ドラムセット、そして、ドラムをスティックで叩くことが余り好きでは無いのです。ともかくそうなのですから、しょうが無いことなのです。富樫雅彦さん、小山彰太さん、豊住芳三郎さんの三人だけがちょっとレギュラー的に演奏したのみです。それだけでも贅沢なことですが・・・
達久さんの演奏を何回か聴かせてもらって、一緒に出来るかも知れないと思い、賭けに出ました。幹雄さんは北海道やポレポレ坐で何回か共演しています。私は共演者としてのピアノも実は少々苦手なのですが、彼はOKです。
ともかく2人の若い天才の胸を借りるつもりでブッキングしたわけです。(達久さんのお父さんと私は同い年でした。アハ。)事前に音源と譜面を送っていたので、(「黒石」「Just Accept」「月の壺」「西覚寺」「ストーンアウト冒頭」を用意)20分間のみリハーサル。それで呆気なくOKでした。
会場の音響の良さ、ピアノの良さも相まって、仮に用意してもらったPAも使わないことに決定。どこからどんな展開になっても大丈夫という確信を得ることも出来ました。私にとっては理想的な展開です。ドラムスの大きな音でも、フルコンサートのスタインウェイでも、生のコントラバスで充分共演できるのです。頭では想像していましたが、実際にそうなってみると嬉しいものです。
若い二人の演奏に私もセバスチャンもラストの疲れもどこかへ消えて、楽しく演奏できました。一曲の中でどんどん展開していくので、曲数は要りませんでした。エッグファームのマダム齋藤さんも大変喜んで下さり、よかったよかったよかった。アンコールはベースデュオで締めくくりました。
今回のツアーは人々への感謝をしみじみしみじみ感じました。普段だったら疲れ切ってブーブー言っているはずなのに、全くそうならずに、身を投げ出してみんなのチカラを得て楽しく演奏を終了できたのです。今年、病気を経験したことがよかったのか、3ヶ月前に他界した母が守ってくれたのかもしれません。
お土産にどっさり玉子をいただきビューンと帰りました。幡ヶ谷の家で終始にこやかに最後の晩を楽しみました。
皆さま、本当にありがとうございました。感謝しかありません。ジャズ的な編成に一縷の希望が生まれたのは幸いでした。これがどこに繋がるのか、自ら興味津々です。
翌朝、成田へ送りに行き、東京に戻り楽器を返却、セバスチャンが忘れた弓の梱包、やっと終わりました。