10月10日(金)キッドアイラックホール
私の東京でのホームグラウンドの一つキッドです。長い歴史とすばらしい音響を持つ大事な空間です。この音響の中で演奏することが大変好きです。
初日は思いっきり低音満載のインプロをしましょう。ご安心下さい、低音がモゾモゾしているだけではありませんよ。低音がでる楽器は高音がでるし高次倍音が豊かなのです。(そう、その逆はありえないのです。)。
高岡大祐(チューバ)天田透(バスフルート・コントラバスフルート)さんとはここキッドでトリオの初演をしました。真ん中に配置したチューバが王様のようにキッドの高い天井へ鳴り響いたのをよ~く覚えています。全ての音がでるという意味を込めてこの2人とのユニット名を「TRIO GAMUT」と名づけたほどです。
その後は、ストライプハウスギャラリーで再演、エアジンではジャン・サスポータスさんを加え、「いずるば」ではバール・フィリップスさんを加えて「低音は世界を救う」と奮ってみました。
天田さんはミュンヘンが長いので、ドイツ関連でもあります。高岡さん・天田さんともに、長年にわたり、多くの音楽を大量に聴いて、演奏して来ています。それはセバスチャンも私も同じ。その中で今・自分の方法を選び、日々演奏しているのだと思います。時々会って演奏するのは自分の位置も確かめることが出来るので楽しみです。4人のケミストリーはどのように展開するか当然、全く分かりませんが、なぜか、楽しい方向に行くような気がしてなりません。
即興演奏や自由な音楽、現代音楽などの演奏家、聴衆、ファンの中には、結局ビッグネームに弱かったり、権威主義だったりする人が多く見受けられます。演奏の現場ではそんなもの百害あって一利なし。自由な音楽を演奏すると言うことと資本主義システムの中にいることは初めから矛盾しているのでしょう。そのなかで隙間を見つけ、粛々と演奏を続けることになります。
天田さん・高岡さん、この2人はすがすがしいほどの反骨精神を持っています。大切なことです。貴重な存在です。自由な音楽をやるには自由なココロと身体が必要です。そしてそれがこのご時世、如何に難儀なことか・・・
初日に、こういう人達と演奏できることはさい先の良いことです。