セバスチャン・グラム初来日。初告知。

IMG_0015 Saitoh:Gramss@ Jazzinstitute Darmstadt (Photo-Schindelbeck) Sebastian-Gramss-Schindelbeck-06 Sebastian-Gramss-Schindelbeck-02

初告知です。

 

 

 

今年のメールスフェスのオープニングを50名のベースアンサンブルで行い、ステファノ・スコダニビオさんWERGO追悼盤を仕切り、昨年のエコー賞を取った今まさに乗りに乗っているドイツ人ベーシスト セバスチャン・グラムの初来日です。40代なかば、これから長期間世界のベース界・音楽界を牽引していくことは間違いない俊英の初来日にご期待下さい!

 

 

 

今回のプログラミングは大変うまく行きました。良いものです。かなり自信があります。すばらしいです。やりました。こういう人達がこぞって参加してくれることを大変嬉しく、誇りに思います。日本も捨てたもんじゃ無いです。

 

 

 

彼の何がユニークかというと、ジャンルを軽々と超えている点に象徴されます。(フリー)ジャズとインプロヴィゼーションは、元々の考え方が違うためにお互いに「違い」を強調し合い牽制し合ってきた側面があります。かく言う私もそこに気付いてから道が拓けてきたと言って良いくらいです。しかしセバスチャンは初めからそういう考えをあっさりと乗り越えて出現してきました。ジャズもインプロも同じように大変高い意識と優れた技術で演奏します。

 

 

 

ジャズどころではありません。彼が中心のグループUnderkarlはフランク・ザッパ以来のグループとも称され(ローリング・ストーン誌)バッハのゴールドベルクからロックからジャズまでやります。彼はピナ・バウシュ舞踊団にも音楽を提供しています。(「Ten Chi」埼玉県芸術文化振興財団委嘱、彼のグループUNDERKARLの名前でクレジット、日本とも縁があったのですね。)http://www.pina-bausch.de/stuecke/ten_chi.php

 

 

 

ジョン・クレイトンやマーク・ドレッサーがクラシックとジャズの垣根を越え、ロバート・ブラック、ジョン・エックハルトがロックも現代音楽・即興も自由に横断している傾向と似ています。しかし、ジャズとインプロをセバスチャンのように演奏出来る人は今までで初めてのように思います。

 

 

 

サックスとデュオでデューク・エリントン、ビリー・ストレイホーンの傑作「極東組曲」を演奏したCDにはビックリしました。(エリントンの極東組曲は私の長年の愛聴盤でストレイホーンの最後の最高傑作と言えます。)私と同様コントラバスのアンサンブルに熱心でベースデュオプロジェクトはDouble the double bass と名づけられ 1:ステファノ・スコダニビオ、2:バール・フィリップス 3:私 4:マーク・ドレッサー と進んでいます。ベース5重奏クロスボウ(バール・フィリップス、クレイトン・トーマス、イリ・シアビック、ジョン・エックハルト、セバスチャン)、前述のスコダニビオ追悼の11名のベースアンサンブル作曲、そして50名のベーシストのアンサンブルBass Masse(バールも私も参加)、2014年のメールス・フェスに出演、ペーター・コヴァルトさんの即興演奏CD”Was da ist”をアレンジしたベースアンサンブルの初演が5月に済んだばかり。スゴイ勢いです。演奏中のコントラバスの内部を撮影した面白映像:https://www.youtube.com/watch?v=VNQOlAPwMUI

 

 

 

 

 

ドイツと日本のジャズ・イプロ事情は大きく違います。彼はケルンの音楽大学教授、社会から尊敬され、なにより多くの若者が憧れています。エコー賞授賞式はテレビ放送(彼はそのためにジャケットを新調)。ドイツを代表して彼のジャズグループは中米、インド、中東、アフリカへと派遣されています。ジャズをドイツ自国の文化として世界に発信しているのです。昨年、私はセバスチャンとデュオでツアー中、ジャズのアーカイブをしている組織、広い知識とオープンな感覚を持った多くの聴衆に会いました。ジャズが尊敬されているのはヨーロッパ特にドイツ、フランス、そして経済が順調なスカンジナビア諸国なのかもしれません。

 

 

 

故ペーター・コヴァルトがブッパタールの自宅にスタジオ「ORT」を作り開放したことは大きな事件でした。特にある一年間旅好きなペーターがブッパタールから一歩も動かずORTでさまざまなセッションを繰り返し、多くの若者(特に音大へ通う若者)を惹きつけました。(1年後の翌日すぐ旅に出たそうです。)グンダ・ゴッチャーク、クリストフ・イルマー(共にバイオリン)、ウテ・フォルカー(アコーディオン)、セバスチャン・グラム(ベース)など現在ブッパタール、ケルン周辺のシーンを引っ張っているミュージシャンはその頃、ペーターの影響を受けた人達なのです。(セバスチャンはペーター・コヴァルトのメイン楽器を譲り受けました。)

 

 

 

さあ、そんなセバスチャンがやって来ます。いろいろな意味で多くの影響をもたらしてくれると確信しています。

 

 

 

セバスチャン・グラム・齋藤徹ツアー日程

 

 

 

10日 キッドアイラックホール(明大前)高岡大祐(チューバ)天田透(コントラバスフルート)

 

11日 ギャラリー椿(京橋)小林裕児(LIVEペインティング)さとうじゅんこ(声) 小林裕児個展会場内でのイヴェント

 

12日 エアジン(横濱)喜多直毅(バイオリン)MIZUKI(パーカッシブダンス)横濱なんでも音楽祭

 

13日 バーバー富士(上尾) デュオ

 

15日 大阪 コーポ北加賀屋  with 磯部宗寛(読経)

 

16日 広島 アステルプラザ デュオ

 

17日 京都 ヴィラ鴨川ホール(ゲーテ) with 木村英一(ダンス)・有本羅人(トランペット

 

18日 静岡 HP金座ボタニカ  デュオ

 

19日 沼部 「いずるば」矢萩竜太郎(ダンス)堀川久子(ダンス)山上渡(絵画)

 

21日 ドイツ文化会館(赤坂見附) 沢井一恵(17絃)久田舜一郎(小鼓)喜多直毅(バイオリン)

 

22日 スーパーデラックス(西麻布)コントラバスアンサンブル(瀬尾高志・田嶋真佐雄・田辺和弘・タイラーイートン・水谷浩章・トッドニコルソン 他)庄﨑隆志(ダンス 聾)高橋愛(ダンス 聾)

 

23日 ポレポレ坐(東中野)丸田美紀・荒井美帆(箏・17絃)黒田静鏡(尺八)松本泰子(歌)

 

24日 Sonorium hall(永福町)森田志保(フラメンコダンス)

 

25日 ホール・エッグファーム(深谷)石田幹雄(ピアノ)山本達久(パーカッション)

 

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