「徹 プレゼンツ 矢萩竜太郎10番勝負!」(10回の一本締めをご一緒に!)
第1番~第6番 沼部「いずるば」
8月10日、17日、24日、31日、9月7日、9月14日
15;00~16;30 (8/10は19:30より)
第7番ブッパタール(独)「ort」9月20日
第8番ボーフム(独)「ボーフム市立音楽大学」9月22日
第9番ケルン(独)「日本文化会館」9月24日
第10番ドルトムント(独)インセンティブフェスティバル
9月26日
1.7.8.9.10番 Jean Laurent Sasportes(ダンス)参加
7.8.9.10番 Ute Volker(アコーディオン)参加
1~6 参加予定:
岩下徹(ダンス)喜多直毅(バイオリン)瀬尾高志(コントラバス)田辺和弘(コントラバス)田嶋真佐雄(コントラバス)巻上公一(ボイス)熊坂るつこ(アコーディオン)佐草夏美(ジャワ舞踊)さとうじゅんこ(うた)松本泰子(うた)上村なおか(ダンス)オオタマル(ブラジルギター)平野壮弦(書)村上洋司(動き)他多数
入場料 ¥500 (出演者への交通費になります)
成り立ち
2010年、私(齋藤徹)がブッパタールORTで1ヶ月のレジデンスをしていたときに、竜太郎さんがやってきました。ジャン・サスポータスさん(35年以上ピナ・バウシュ舞踊団のソリスト、竜太郎さんとは長い交友を持ちます。)と企画して、竜太郎セッションをORTで催しました。
ピナ・バウシュの本拠地であり、フリーインプロの拠点であるブッパタール。そこで長年、多くのパフォーマンスを体験してきた百戦錬磨の聴衆が目に涙を浮かべて感動していました。竜太郎さんのイノセントなダンスに「人はなぜ踊るのか?歌うのか?生きているのか?」というような根源的な感覚を思い出したようでした。忙しい現代人、次々に新しいモノを求める現代人が忘れてしまったものを思い出させてくれるのでしょう。その聴衆の中にドルトムントのフェスティバルのスタッフがいて、今回の招聘につながりました。
今回のドイツツアーはとてもやりがいのあるものになるでしょう。しかし、長距離移動を含めての4回の連続公演は竜太郎さんにとっては初めてのこと。そのための心と身体の準備をしっかりと整え、高揚していきながらも平常心を保ち、「今・ここ・私」でなければできないパフォーマンスにしたいと切に願っています。それは、私にとってもジャンにとっても全く同じです。そこで、公開リハーサル6回を毎週日曜の午後に「いずるば」でおこなうことを思いつきました。
竜太郎さんが教えてくれるもの
矢萩竜太郎さんは素晴らしいダンサー(ダウン症)です。踊り終わった時によく突っ伏して泣いています。踊ることが嬉しくて泣いているのだそうです。私達(プロ)はそういう感覚を忘れてしまっています。楽器を始めた頃の熱意や大志を思い出させてくれ、「プロ」の傲慢な「慣れ」を戒めてくれます。
「高い」技術や情報を披露する対価にお金をいただくという図式には落とし穴があります。本来、舞台にプロもアマもありまえません。そんなことを教えてくれるのです。
東日本大震災・原発事故の直後に竜太郎・岩下徹(山海塾)・喜多直毅(バイオリン)・私のセッションがありました。引き続く余震のなか、明日がどうなるか分からない状況、何かを強く求める満員の聴衆の中、竜太郎さんの即興は冴え、地震・放射能に囚われている全員を引っ張ってくれました。
「障がいがあるにしてはよくやっている」という視点を無くすことが必要です。一方、「竜太郎さんのダンスを、自分の都合の良いようにイノセントだの無垢だのと言っていないか?偽善はないか?」という自分自身への問いもあります。障がいをもつ人の家族のさまざまな葛藤など、今を生きる全ての人へ考えるきっかけになるのではないかと思います。
今までの主な共演者:Barre Phillips (bass) 天田透(fl)高岡大祐(tub) 岩下徹(ダンス)喜多直毅(vl)Michel Doneda(sax) Le Quan Ninh(perc) 平野壮弦(書)工藤丈輝(舞踏)ベースアンサンブル弦311、庄﨑隆志(聾の俳優)久田舜一郎(小鼓)Yanael Plume(ダンス)他多数
映像
昨年からドキュメンタリー映像作家の近藤正典さん(シネマネスト代表、近作「父をめぐる旅 異才の日本画家 中村正義の生涯」http://www.cinemanest.com/masayoshi/home.html、「物置のピアノ」など)が竜太郎さんの映像を撮り続けています。それは、竜太郎さんの映像を残すということと他に、1本のドキュメント作品を作る目的があります。作品として上映することにより、多くの人が竜太郎さんのことを知ることになります。そこから発展していくことに映像の強い力を感じます。
障がいのある人、その家族の方々の気持ちを充分に知ることは出来ないかもしれません。そんなご家族の方にお話を伺うと「うちの子に才能なんてありません。単なる遊びです。」「外出しないようにしています。」という何とも哀しい話を聞くことがあります。
一方、東川や札幌の施設では美術を通して才能を開花させている障がいを持つ人に何人も会いました。個人的に知っている乾千恵さん(書・エッセイ・詩、小児麻痺)や庄﨑隆志さん(俳優・演出・ダンス 聾)は存分に才能を発揮しています。しかし、その庄﨑さんにしても発表の場が聾の世界に限定されがちなのはつくづく残念に思います。
障がいを持つことは単なる「違い」であり、個性であることを感じ、お互いに学びあうことが多いことを知ることは人間の成長にとって大変重要だと思います。この映像が多くの人の目と心に触れ何かの切っ掛けになることを心より願っています。
特殊事情
国際交流基金の助成、企業メセナ協議会の認定も取れて、スタッフ共々、順風満帆に準備をしてきたのですが、竜太郎さんのお母様が急病になり、長期入院と言う状況になっています。竜太郎さんにとって最大の心の拠り所であるお母様の病気・日常の不在はどんなにか心につらいことでしょう。そこで、竜太郎ファンのミュージシャン・ダンサー・美術家たちがボランティアで6回の公開リハーサルに参加してくれます。彼の気持ちを奮い立たせ、ドイツでもしっかり踊ることを多くの人が願っています。それが病床のお母様の最大の望みでもあります。
寄付のお願い
前述したように、今回映像作品を作ります。
ご存知のように、映像作品制作には膨大な時間と資金がかかります。近藤監督は昨年からさまざまな場面で竜太郎さんの映像を撮りためていますが、今回のドイツツアーおよび公開リハーサルは本作品の格好の題材になることは間違いありません。そこで我々は、国際交流基金に監督とカメラマン一人の渡航費援助を申し出、それが認められました。大変嬉しいことです。
しかし、国際交流基金の援助は国際線エコノミークラス航空券のみとなっています。竜太郎さんと私は4会場からドイツ内移動、食事、宿泊の補助はでますが、スタッフ滞在費、カメラ機材のレンタル代は10日におよぶツアーでその額は大きく膨らみます。
そこでこの公開リハーサルを機会に、みなさまから寄付を募りたいと思います。寄付をいただいた方には、特典としてドキュメンタリー作品のエンドロールにお名前をお入れする、DVDの特別配布、上映会ご招待、などを考えております。是非ご協力ください。
また、この企画は公益社団法人・企業メセナ協議会の認定を受けています。ご寄付をお考えの企業・個人の方がメセナを利用すれば、(企業5万円以上、個人1万円以上)公式な寄付として税の免除になります。お考えがございましたら、お知らせいただきたく思います。
ご検討なにとぞ宜しくお願いします。
公開リハーサル・ドイツツアー用 竜太郎10番勝負!FaceBook 始めました。
https://www.facebook.com/pages/矢萩竜太郎10番勝負/872107279483566?ref_type=bookmark
寄付金振込先口座
銀行名 りそな銀行
支店名 市ヶ谷支店(725)
口座名 矢萩竜太郎・齋藤徹ドイツツアー
口座番号 1752845