インプロするときの大きな課題は「自己表現」です。すべてが自己表現だ、と言ってしまえば元も子もないのですが、この場合の表現とはあ〜やってやろうとかこ〜やってやろうとかを「表現」することです。インプロの反意語は決して「作品」ではなく、「表現」であり、さらに言えば「自分自身」であることをよく考えます。
ヨーロッパのインプロの一つの流れは「匿名」への傾向です。それは美術でも言えることですが、人の行為として美術や音楽をつきつめた先に匿名が拡がっていると考えるのは自然です。自分が他者とどれだけ違っているかを表現することが「商品価値」を決め、この貨幣経済の中で生きていくことを職業と言うならば、インプロはそれに反する行為でもありえます。さあたいへんだ。
ひるがえって考えて、なにも欧羅巴に範を求めなくても良いのです。日本にもアジアにもそういう考え方はずーーーーっとあります。我が心に問えば良いのですが、あに図らんや、我が心はずいぶんと汚れています。
そんなことを考える絶好の機会があります。それが佐草夏美さんとのデュオ「はなにとひたまへ」。夏美さんはジャワガムランの踊りのカタチを踊ります。しかし、決して模倣をしたいからではありません。私にもフリーハンドを与えてくれています。
真っ暗で蝋燭2本だけの舞台で1時間スリンピという型の踊りを踊り、私が音をつけるのです。ここでは上記のことへの大きな示唆に溢れているように感じています。
やっとこういうインプロができるようになったのか、と・・・・・
このチラシはご主人のさそうあきらさん作です。スバラシイ!
5月1日(木)19:15開演 マスミ東京・スペースMURO
大塚駅北口より6分 荒川線巣鴨新田より3分
2500円
問い合わせ:jasminrule@yahoo.co.jp