歌と踊りと響きと

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湿気がプレーンガット弦を緩ませ、楽譜が水分を得てしなり、私の白髪が爆発するなか、キッドアイラックホール公演、歓びの中に終了しました。

 

 

 

スペイン語の持つ豊かな歌謡性・舞踊性が発揮できたように思います。スペイン語と言ってもスペイン本国、アルゼンチン、パラグアイ、チリ、とばらばら。それを歌いきったじゅんこさん。スペイン語とフランス語が母国語のジャンさんが「スペイン語も美しかったし、なにより歌の表現がすばらしい!」と絶賛してくれました。素晴らしい努力と才能です。ワイルのユーカリタンゴはフランス語、高橋悠治さんの訳「Gracias a la vida ありがとう命」、タンゴエクリプス第2章の日本語はどこか違う所に響いてきました。日本語はやっぱり良いな~

 

 

 

南米の賛美歌では田辺和弘さん中心にバックコーラスもはいり、リズムを強調した楽しいものになりました。アンコールでは田辺さんはもはや楽器を置き、歌に専念。いいぞいいぞ!次は踊っちゃえ!

 

 

 

ガルシア・ロルカとマニュエル・デ・ファリャを三曲ずつ演奏しました。これもじゅんこさんにピッタリでした。ロルカはファリャを尊敬していて一緒にカンテ・ホンドの大会を催したことがあります。(録音が残っています。)その大会の主旨は、失われつつあるフラメンコの深い歌を遺そう、と言うことだったそうです。100年近く前にもう「失われつつある」ということ、それは韓国シャーマン 金石出さんも同じ主旨の事を言っていました。本当に今は何でも「薄まってしまっている」のでしょうね。

 

 

 

ギル・エヴァンス、マイルス・デイビスのスケッチオブスペインで印象に残っていた「サエタ」もやってみました。じゅんこさんには自由に即興で歌ってもらいました。風景は「東」よりになりました。

 

 

 

緩急自在のジャンさんは上手の椅子に座り、興に乗ると踊り出すというスタイルでした。しかしあらかじめ十分にリハーサルを積んだようにあるべきところにあるべき踊りがありました。

 

 

 

ベーストリオのみではピアソラを三曲(コントラバヘアンド、ロ・ケ・ベンドラ、エスクアロ)を演奏、思い起こせば3年前にここでDVDの収録をしたのでした。響きが大変良いので余計な力が抜けて嬉しいです。3年前と言えば、地震直後にもここで喜多直毅さんと演奏、ブッパタールからジャンさんがSkypeで参加ということもありましたね。

演奏最後にはベースの最低音を鳴らしながらジャンさんを取り囲みました。

 

 

 

歌と踊りと響きに身をゆだねることができる貴重な演奏会でした。ありがとうございました!

 

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