「ロルカ」りながら

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「ロルカ」りながら

 

どんな映画にせよ、撮るに当たっては私の何百倍もロルカについて調べたのだろうからきっと参考になると思って「ロルカ・暗殺の丘」「Little Ashes」を観ました。前者がアンディ・ガルシア主演、彼はキューバの伝説的ベーシスト、カチャーオのフロリダコンサートのMCをしていて好感があります。私が手にしたのは、ロルカは英語をしゃべり、日本語吹き替えさえ入っています。アンディは大スターなのですね。スペイン語版もちゃんとあるようです。

 

「Littel Ashes」はイギリス映画、私が観たものは英語をしゃべります。スペイン語版があるかどうか不明。ロルカの詩の朗読のところではスペイン語を使用しています。英語ではやっぱり違和感あります。最近「マライの虎」(1943年・戦時中!のハリマオ映画・古賀聖人監督)を観ました。ここではイギリス官憲・マレー人が日本語をしゃべっていました。この違和感はそうとうなものでした。「愛を読むひと」(原作「朗読者」は大変好きな映画ですが、ドイツの風景とドイツの主題が英語でやられるとやっぱり・・・)

 

「Littel Ashes」は伝説の学生館の様子などは興味深く、ブニュエルも大事な役回り、演劇集団「バラッカ」も少し取り上げられていて参考になります。そしてダリとロルカの同性愛が主要な要素になっています。(その筋の映画賞を取っています。)

 

困ってしまうのは、映像は強く記憶に入ってくるので、ロルカというと無意識にこの映画の主人公が浮かんできてしまいます。モーツアルトというと「アマデウス」の彼を思い起こしてしまうように。

 

ジャズファンにとってはチャーリー・ヘイデンの「リベレーションミュージックオーケストラ」の第一弾(1969年)でロルカのスペイン民謡集が使われているので、聴いたことがある人は多いでしょう。ここではスペイン市民戦争や亡くなったばかりのチェ・ゲバラが主題なのでブレヒト・アイスラー(ジェフスキーの「不屈の民」の元歌)と並んで使われています。当時の録音がスーパーインポーズされていますが、出典は私にはわかりません。

 

ロルカ採譜のスペイン民謡集から16日のポレポレで4曲演奏する予定です。

 

私がロルカに衝撃を受けた詩(以前のブログに紹介)の原詩をあれこれ探していましたが、どうもあれは作曲家ジョージ・クラムがロルカの詩の中からいくつかを抜粋したようです。私はクラムのLPに書かれていた英訳の詩を読んだだけなのです。ロルカ代表的戯曲「イエルマ」の中にその中の部分を発見しました。どうも詩の繋がりが釈然としなかった(詩というのは飛躍があるのだからこうなのかと思っていました)部分がこれで落着。

結局、なんといっても、とどのつまり、外国のものを扱うときはその国の言葉ををわからないとイケナイということのようです。残念。

 

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