何かこんな感覚あったな、と思って探っていたらタンゴの助っ人でブエノス・アイレスに行ったときにちょっと似ていました。
私は単なるエキストラだったのですが、空港にプグリエーセ御大が薔薇の花を持って待っていてくれました。周りのタンゴ原理主義者は仰天でした。
自分の音楽の才能がどれほどかはこの歳になればだいたいわかります。あまり大した物ではありません。しかし、しかしです。人と会う才能はかなり良い線を行っているように感じます。この時のプグリエーセしかり、韓国の金石出さんしかり、日本ジャズの高柳・富樫さんしかり、ヨーロッパインプロのバールさん、ミッシェル、ダンスのアスベスト館・ジャンさん、邦楽の沢井一恵さん、能の久田舜一郎さん、アジアのザイ、聾の庄﨑さん、美術のアバカノビッチ、小林裕児さん、などなどほとんどすべてのであう人がその人が暮らす世界でのエッセンスです。
話を戻しましょう、ブエノスアイレスを1986年訪問したときに、プグリエーセ・オルケスタと「共演」をしました。周りにいる人達もこれ以上無いような人達、私も毎日本当に興奮していました。(興奮して呑みすぎてパスポートを一時紛失という冷や汗もありました。)その夢のような数日を過ごしながらも、「わたしはここでずっと生きていくことは出来ないな~」と直感してしまったのです。それを感じたアーケード通りも覚えています。黄金の日々を過ごしながらそんなことを思ってはイケナイと押し隠そうとするのですが、仕方ない。
諦めるというのとは全く違います。どんどんとタンゴに真っ赤に燃えてきいました。帰国するや、ピアソラだけをやるグループを作り録音、20数年前にピアソラ曲だけでCDを作った人は日本にいませんでした。まだLPだった時代ですが、LPや新たにでてきたCDを家庭の経済を無視して買い続け、どんどんと吸収することも続けていました。家人が心配するほど朝から晩まで聴いていました。でも、どこかであの時直感した感覚がくすぶっていたのです。
実は、ロルカもそれに似ているようなのです。著作や評論、映画、録音を毎日あびるのように体験して、どんどん惹かれていくのですが、感覚のどこかがつらいのです。心中はできない。ここでは生きてはいけないのでしょう。ロルカの語る女・血・愛・自由・劇・詩心が好きであればあるほど相対化してしまう自分がいます。(ささくれだった気持ちをなだめてくれるのはジョビンやナナ・カイミ、ブレル、ありがとね。)
でもでも、16日のポレポレはしっかりやりますよ。
うえにありますCD?はどんなものでしょうか。なんだかよさそうなジャケットにみえます。
4-5年前にグラナダにたった2日ですが行ってからロルカに興味がわきました。当時は本を少しかじっただけで終わってしまった気がします。16日はもしできれば、うかがいたいと思っているのですが、、、。
Spanish Popular Songs というCDで、ガルシア・ロルカ自身がピアノを弾いているトラックと楽団による伴奏があり、歌っているのが ラ・アルヘンティニータさんです。あの大野一雄さんの「ラ・アルヘンチーナ頌」のモデルです。親がブエノスアイレスにツアー中うまれたのでアルヘンティニータとよばれていますが、スペイン人のフラメンコダンサー・女優です。この録音でもわかるようにカスタネットは名人級。
この曲集はロルカが採譜したもので、私はナルシソ・イエペスとテレサ・ベルガンサのデュオ(ドイツグラモフォン)とロス・アンヘレス(EMI)も持っています。両方共、名盤ですが、ロルカのものがプラスアルファがありますね。
16日はこの中からも何曲かやります。
上記3種とも、中古盤などで購入可能のようです。
ありがとうございました。後者2つは僕もあのとき聴いてもっているのですが、このCDはどうしてか聴いていません。今回ぜひ聴いてみます。