徹の部屋vol.26 オペリータ「うたをさがして」序章2
■日時:2013年8月31日(土)19:00 open / 19:30 start
■出演:ジャン・サスポータス(ダンス)、さとうじゅんこ(うた)、喜多直毅(ヴァイオリン)、
早川純(バンドネオン)、齋藤徹(コントラバス・作曲)、乾千恵(脚本)
■料金:予約3,300円/当日3,800円(ワンドリンク付)
■予約:03-3227-1405(ポレポレタイムス社)Email : event@polepoletimes.jp
「男はつらいよ」冒頭の夢のシーンになぞって
「音楽ってそんなに大事なの?お兄ちゃん。こんなに家族がバラバラになって、病気して、貧乏しても・・・」「それを言っちゃおしめいよ。オレはこうしないと生きちゃいられないのよ。ちょっと旅へ行ってくら。落ち着いたら便りをだすから・・・」
実際はこの真逆。
寅さん好きの我が「妹」乾千恵さんは、音楽が彼女の生きる糧であり証しです。不肖の兄はいつも勇気をいただいてなんとか続けているという。彼女の書がどれだけ気持ちを救ってくれたことかわかりません。書を持って八重山へヨーロッパへ出かけました。カディマから出たDVDの表紙の「月」も「弦」も彼女の書です。
千恵さんとは大阪枚方の「さだ公民館」で会いました。ピアソラを演奏するコンサートでした。最前列で車椅子から落ちるのでは無いか心配するほど身体を揺さぶり全体で音を受け取っていました。それから長い長いお付き合いになります。実際の時間もかなりになりますが、精神的時間は果てしなく長いのです。書き出したら本一冊軽くできるでしょう。
あるときは南仏のバール・フィリップスさんの家で会って誕生会をやったり、大分の湯布院で会ったり、彦根西覚寺、野崎観音で会ったり。彼女が思いの丈をぶつけた「七つのピアソラ」(岩波書店)を発表したときには、お祝いに千恵の輪トリオ(ジャン・サスポータス、オリヴィエ・マヌーリ、徹)を作ってツアー。各会場で書も飾り見守っていただきました。関西での演奏会を作ってくれたり、関東にも来て応援してくれました。千秋楽の空中散歩館、アンコールのジャンとデュエットダンスは会場が異次元へ飛んでいきました。ポレポレ坐では「ミモザの舟にのって」という朗読・音楽・ダンス・絵画コラボレーションもやりました。(ジャン、小林裕児、黒田京子、笠松環、米澤美和子 参加)
その千恵さんが渾身(彼女はいつも渾身です)のオペリータ「うたをさがして」を書いて送ってきました。これに答えずばヒトにあらず、と急いで作曲し今年2月キッドアイラックアートホールで序章として上演。(ジャン・サスポータス、さとうじゅんこ、喜多直毅、徹)本番直前にやっと通すことができる状態だったのですが、終演後多くの聴衆が立ち去りがたく留まっていました。
今回は、喜多さんの推薦でバンドネオン奏者早川純さんが参加してくれ、千恵さんのオリジナル編成になります。構成も作曲もまだまだ手を加える必要がありますので序章その2としての上演です。序章といえ、リハーサルといえ、私たちにとって一回一回が本番です。
もともと「うたをさがしてトリオ」として活動している三人(さとう”菩薩”じゅんこ、喜多”天才”直毅、徹)にアニキ分ジャン・サスポータスが加わり、さらに早川”ジャック”純さん。これは私にとっても見逃せません?というか、実は客席で観たい舞台です。翌日にはジャンも直毅もドイツに旅立ちます。
8月最終週の3つの公演について書いていると、ある共通項を見つけました。庄﨑隆志、矢萩竜太郎、乾千恵、喜多直毅さん達、みんな「フツー」では決して満足しません。フツーならやらない方が良い、全員人生の授業料完済、おつりがきています。