キッドアイラックアートホール 8月28日

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ユーラシアンエコーズ第2章でもすばらしいダンスをしたジャン・サスポータスさんが8月最終週に3つの公演と2回の「ジャンさん体操+気の道入門ワークショップ」があります。その紹介を一つずつしていきます。
出演: 庄﨑隆志(ダンス) 貴田みどり(ダンス) ジャン・サスポータス(ダンス) 齋藤徹(音)
聴こえ~或る~無い~侘しさ
日時:8月28日(水)19:00open/19:30start
会場:キッドアイラックアートホール (東京都世田谷区松原2-43-11) http://www.kidailack.co.jp/
料金:予約3,000円(学生2,500円)/当日3,500円(学生3,000円)
予約:Tel:03-3322-5564  Mail:arthall@kidailack.co.jp(キッドアイラック)

ちょうど1年前の8月末のこと。庄﨑隆志さんと南雲麻衣さんと初共演をしました。海外の仕事が立て込んでいた時期でしたが、one of 仕事ではなく、「こういう日のために私は演奏を続けてきたのだ!」という衝撃だったのです。

私自身が7年前から右耳の突発性難聴を患っていますので、耳のことに関しては人一倍敏感になっています。安元亮祐さん、松本俊介さんの美術はいつも目と耳と心にズシンと来ていましたし、佐村河内守さんの本やCDはビックリしていました。しかし、聾のダンサーからの突然のオファーに、一体私に何が出来るだろう、と思いつつ第1回目のリハーサルに出かけました。そこで起こったことは一生忘れません。

以前「盲」のダンサーと共演したことがあり、ダウン症のダンサーとはレギュラーな関係を持っています。彼らとは「音」で伝えることが出来ます。しかし、リハーサル前は、「聾」の人と何が出来るのだろうという問いから一歩も進むことはできませんでした。また、彼らのことを何と呼ぶのか「聴覚障害者」?「聾唖者」?それさえ知りませんでした。(「聾」という言葉が良いと庄﨑さんに教えていただきました。誇りを持って使っているということです。タツノオトシゴは目・鼻は優れているけれど、耳は退化して聞こえなくなっているということから龍には耳が無いという伝説です。)

果たして共演出来るのか?ドキドキドキドキ。しかし、その答えは「できる!」しかも時には健常者よりも深くできるのです。同行した娘と帰りの車の中で「凄い体験をしてしまった。」と興奮して話し合ったのを今でもハッキリ覚えています。その公演自体、「聾」だからと言うバイアスは一切ありませんでした。チラシにもそのことは一切触れていません。普段のコミュニケーションでさえ手話通訳無しの方が伝わったりもするのです。いったい「聞く」「聴く」とは何?

「ミラーニューロン」の説は好きで、ダンサー、美術家、音楽家、役者にかかわらず、私は、演奏中かならず薄目を開けて共演者を観ることにしています。観ることによって私のミラーニューロンが活動し私自身が踊り、描き、その楽器を演奏し、演じているわけです。目を閉じては大「損」です。

その効果もあると思いますし、コントラバスの低音は床から振動が伝わる、とも聞きました。「まつげ」で感じることもあるそうです。ともかく何かがキッチリと通じるのです。言葉での会話で、実際は本意が通じていないことは日常的によく起こります。同じものを見ても、違う部分を見ていたりすることも良く起こります。

1回目の共演時、カーテンコールの時、私は「やった!やった!」と興奮状態でした。しかしお辞儀をしても拍手がパラパラしかありません。「しくじったか・・・・」と落胆して目を上げると手話での万雷の拍手(両手を花のようなカタチにして回す仕草)でした。あの光景は忘れることが出来ません。

出会った人と人、場所と場所、時と時を繋げることが私のライフワークです。彼らを誰と繋げよう?それは、もちろん、今、一番の共演相手ジャン・サスポータスでしょう、ということで、ポレポレ坐で真冬にセッションを持ちました。想定を遙かに越える舞台が現出しました。多くの聴衆が「なぜだかわからないけど」泣けて泣けてしかたなかったと言います。スタンディングオベーションを受けました。

これはもう続けるしかありません。続けなければ罪です。現在、日本での私の数少ない大事な「ホーム」であるキッドアイラックアートホールで今回公演をするのは当然の成り行きです。

是非ご参加下さいますようご検討下さいませ。                   齋藤徹

 

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