今日の高場将美さんのコメントで気がつきました。曼荼羅は逝った者達によって結ばれ、編まれているのですね。妙に納得しました。
ジャン・サスポータスさんとの出会いもペーター・コバルトさんの死からです。長年2人はデュオを組んでいた同じブッパタル在住の親友同士でした。そして、ペーターさんの急死。ミュージシャンとして、本来の意味のアクティビスト(行動者)として、世の中に多くの影響を与え亡くなりました。(チューバプレーヤーだったペーターさんがコントラバスに転向したのはバール・フィリップスの影響と言うことですが、そこまで遡るのは止めましょう。)
カナダのヴィクトリアヴィルで行われているフェスティバルは、フランス・ナンシーのミュージックアクシオンと並んでインプロ界での最大のフェスの一つです。そこで、「影の時」(ミッシェル・ドネダ、レ・クアン・ニン、沢井一恵・今井和雄・齋藤徹)の初演と共に私は、ペーター・コバルトに捧げるコントラバスカルテットで演奏しました。(バール・フィリップス、ジョエル・レアンドル、ウィリアム・パーカー、齋藤徹)「After You Gone」というCDになっています。原案は違うベーシストだったそうですが、バールとジョエルの推薦で私になったと聞きました。それも因縁でしょうか。
そのCDがひとつの発端となり、ジャンさんとの共演が始まったのです。すんなりとは始めることが出来ませんでした。突発性難聴。それは私のミュージシャン人生の危機でした。入院中に何回も辞めることを考えました。いまだ治ってはいませんが、悪化することなく、演奏家を続けていることが出来ます。ありがたいことです。そんな事件を乗り越えて直後の共演者ですので、ジャンさんは私の新しい人生のパートナーということでもあるのですね。
授業やワークショップで使った映像で、21年前のユーラシアン弦打エコーズが6分半だけ残っていました。(残りは見つかりませんでした。)神田パンセホールでの記念すべき1曲目です。当時のホームビデオですので画質は悪いですが、石川高と西原裕二の笙に溝入由美子のイングリッシュホルンが「リア王パート2」を奏で、広木光一のギターがノイズを加え、箏群が海のように波をたてます。その中から元一のピリ、姜垠一のヘーグム、許胤晶のアジェン、そして金石出一族のシャーマン金正国がケンガリを叩きまくります。アジアの夜明けでしょうか。PA卓席で音響の小岩滋さんが録ってくれたと記憶します。YouTubeに公開します。
来週の演奏とは全く違うものですが、基本は変わっていない気もします。懐かしいです。