リズムと溜め

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リズムの話の続きです。

 

2本足で歩く時に数えていくと当然奇数番目に1番目の足になります。右足から歩き始めると1,3,5,7,・・・・が右足になります。今、例えば3を繰り返す(1,2,3,1,2,3・・・)初めの1と2番目の1が当然違う足になります。(文字で書くと面倒ですが簡単なことですよね。)ここに揺れ(スウィング)が生まれ、ダンスが生まれる、と思います。(大げさ?)

 

その際、最後の足から1の足へ行く時にどんな「溜め」をつくるかどうかで揺れの大きさが決まります。

タメこそが全てのエネルギーの元と考えることが出来ます。それを体感させてくれたのが韓国音楽とタンゴでした。

 

私が小学校の音楽の時間で習ったのは4拍子は 強・弱・中強・弱 でした。しかし世界の音楽で特にダンスを大事にしている音楽は1拍目は上記の「溜め」が解放される拍です。そして「接点」のように瞬間です。持続時間はありません。そして決して上からドンと強く打ち出すものではないのです。それだと軍隊の行進になってしまいます。(それはそれで美意識は発生するのでしょうが、踊れません。)

 

打楽器の練習では、「打つ」時より「離す」時が大事と言います。

球を使うスポーツをやったことがある人には実感出来ると思いますが、球を受ける時あるいは打ち返す時「迎えに行く」のではなく少し「引いて」受け取る、あるいは打ち返すとうまく行きます。

 

「溜め」はそれに似ています。

 

4ビートのジャズベースラインでは、タターンと弾き、その最初の「タ」が溜めになります。その「タ」はイメージの中にあれば良いので、どんなに小さくなっても、無くなってしまって弾かなくてもいいのです。そこにビートが発生します。タンゴのキチョ・ディアスが2ビートでドン・ドンと弾くだけでも「溜め」は聞こえてきます。

 

メトロノームを使うとき、振り子式のものだと1拍目がうまくイメージできるので有効なのです。デジタルでは「溜め」がイメージしにくいでしょう。

 

1980~90年代に韓国とアルゼンチンを体験してその「溜め」の大きさに感心しました。踊りを大事にしているのです。ウインナ・ワルツでもそうですね。喜ばれる演奏は演奏家の身体が大きく揺れています。

 

揺れはダンスを誘います。揺れの慣性の元はもしかしたら人間の身体の中にある水分かとも思います。だって70%が水らしい。水の中での動きでいろいろとイメージ出来るかと思います。たとえば水の中でタオルを揺らすと新体操のリボンのように、あるいはそれ以上に揺れと溜めとダンスが見えます。

 

この話はまだ続きそうです。

 

写真はユーラシアンエコーズin Seoulの2枚のライブアルバムジャケットです。

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