ジャン、カサブランカ、レオ・フェレ、ルイ・マル、ワーグナー

ジャン、カサブランカ、レオ・フェレ、ルイ・マル、ワーグナー

 

 

 

ツアー中は、寝食を共にしますからいろいろなエピソードがあります。

 

天気の良い朝、メキシコ音楽をかけていると、乳母のことを思い出して(乳母はスペイン人だったそうです)50年前のカサブランカを特集しているYouTubeを取り込んで説明しだしたり、ブレルとかフェレの話になると、NHK教育テレビのフランス語講座に出ていたレオ・フェレの映像をひっぱりだして堪能したりしました。ちょうどこの時期のフェレにローマで会ったことがあるそうです。「夢見ることは、創造だ」という話をしたとのこと。絵になりますね。

 

 

 

この語学番組はなかなかすばらしいです。「サンジャルマンデプレで」「芸術家の人生」「スペインの舟」などの余り弾かないだろう代表曲を機嫌良く弾き語りをしています。インタビューに対する受け答えも、反権力で、シニカルで、かみ合ってなくてさすがです。

 

 

 

ジャンと言えば連想してしまう映画が「海を見たことの無い少年」トニー・ガトリフ、「さようなら子供達」ルイ・マル。後者は、ジャンという名前のユダヤ人の少年が準主役。左利きで、数学や文学が得意で、顔が面長、マルセイユで育ち、友情に厚いなどジャンと多くが重なります。そうそう、似ていると言えば、パウル・ツエランの顔写真でジャンそっくりのものがありますね。

 

 

 

帰国後の初仕事はなんとデュッセルドルフオペラのタンホイザーの振付ということです。バレンボイムがイスラエルでワーグナーを演奏したのもついこの前。ジャンもユダヤ人です。ナチの音楽としてのワーグナーをユダヤ人が演奏や振付をする時代になったのです。しかも反ナチの演出ということ。

 

 

 

このデュッセルドルフオペラのタンホイザーはきっとスキャンダルになるだろうとのこと。演出が「タランティーノスタイル」であり、私の好みでは無いと何回も言っていたジャン。アウシュビッツ・ビルケナウを思わせるシーン、裸体、血がとびちり、押しつぶされるそうです。あーたいへんだ。

 

 

 

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