乾千恵さんの振り絞るような脚本を元に作曲をしたものを初演する企画です。今回のツアーでは特殊かな、と思われましたが、ここまで来ると、もう関係ありません。すべてがニンゲンの行いとして同じという感覚になっています。北海道でのトリオ、デュオ、首都圏での即興カルテット、ピアソラ、コントラバスクインテット、聾ダンサーとのセッション、ライブペインティング、と毎回違う状況でした。長い長い旅のようでもあり、一つの一瞬の出来事のようでもありました。
ジャンさんは、少しでも時間があると千恵さんのテキスト英訳を読んでなにやらメモを書き加えています。彼のていねいな仕事ぶりは我が身を反省させます。ツアー終盤になると、私の容量はかなりオーバーしていてポカが増えてきています。これではイカンイカンですがいかんともしがたい。
朝、千恵さん上京できないとの連絡。車椅子にも乗れないとのこと、思いはいかばかりか。メンバーは皆同じ気持ちです。ハネムーン帰りのキッド早川さんの幸せをいただきつつリハを進めました。
「うた」が内容も進行も決めていくので、じゅんこさんの役割が何と言っても重要です。多くの時間を使って準備をしているのが端々からわかります。うれしいですし、ありがたいです。さすが菩薩。衆生を救います。相変わらず、譜面をさがしたり、落っことしたりしている私が恥ずかしい限り。直毅さんはジャンさんの英語台詞の後に日本語で台詞も言ってもらうので、譜面台を2台用意して台本と譜面をにらめっこ。
終盤に大きなミスが起こりそうな時がありましたが(私です)、おそらく大阪から千恵さんが見守っていたのでしょう、なんとか回避でき、無事に終了できました。75分13曲の初演でした。拍手で呼び戻され、感謝の挨拶を済ませ、楽屋に戻ってもまだ拍手がなりやまず、もう一回挨拶にでるという熱気でした。ありがとうございました。
1年後にはどういうカタチになっているのか、本当に楽しみです。