もちろん、この音をCDに残したいという気持ちは全員あります。バールさんとの共演という滅多に無いチャンスですので当然ですよね。プラス、このCDにはもう一つの理由があります。(特にこの5ヶ月間限定の理由なのです。)
我が「ベースアンサンブル弦311」は、今年6月にニューヨーク州ロチェスターで行われるISB(国際ベーシスト協会)のコンベンションに招待されました。世界各国からベーシスト、ベース制作者、弓制作者、楽器店、作曲家、ベース教師などなど1000人以上集まる世界最大のベースイベントです。ISBは完全なるNPOなので、有志が自力で集まるのです。それも1000人以上!私達の最大のネックは渡航費です。アメリカは遠いです。
バールさんにもその旨を相談しました。彼は以前ISBの議長をしていて、その時に私はコンベンションに出席したことがあります。バールさんは「是非、参加して演奏して欲しい」と言ってくれ、嬉しいコメントまでいただきました。SPACE WHOには音源を無償で提供していただき、バールさんの協力(録音料無し)もあり実現にこぎつけました。デザインもトラベシアでやり、インレイカードも基本通り、プラスティックケースでのセットです。(齋藤真妃の初デザイン仕事になります。)定価も1500円に抑えました。CDRではなくちゃんとCDで、シュリンク(透明フィルム)でキレイに梱包されています。
計算上、180~200枚売れると1人分の渡航費になり、この半年で1人分の達成を祈念しています。
みなさま、どうぞご協力をお願い申し上げる次第でございます。
何枚でもOKです。
travessia1027@gmail.com まで枚数と送り先をお教え下さい。
私の場合は、郵便振替にしたいと思います。
もちろん、メンバーも販売いたしますので、ごひいきのメンバーからお求めになってください。
収録曲は4曲、6人の即興、思わず笑いがこみ上げるユーモアもあり、E♭のスコラダトゥーラ(変則チューニング)、最低音(最低弦を更に低くする)から最高音(バイオリン以上)の音響もあり、倍音だらけの曲では、屋外の秋の虫が一匹ずっと共演していました。ワンポイントの優秀録音です。
「ライブ・アット・スペースフー バール・フィリップス+ベースアンサンブル弦311」(TRV-011)
バール・フィリップス
ベースアンサンブル弦311
齋藤徹・田嶋真佐雄・瀬尾高志・田辺和弘・パールアレキサンダー
2012年10月27日 深谷 Space Who にてライブ録音
マスタリング:島田正明(アケタの店)
デザイン・写真:齋藤真妃
制作 トラヴェシア
スペシャルサンクス
斎藤和子(スペース・フー)
「弦311と出会って共演したのは純粋な歓びでした。このグループはとてもポジティブなすばらしいグループフィーリングを持っています。彼らのスピリットが開かれていることを嬉しく思いました、また同時に彼らはとても訓練されているのです。彼ら全員すぐれたベースプレーヤーであり、音楽家です。近いうちにまた会えるように願ってます。」
2012年11月 バール・フィリップス
ハッピー・ベース・デイ
2012年10月、初来日から24年、バール・フィリップス日本ツアー「Traces in Japan 2012」をオーガナイズした。最後の来日かもしれないので、バールの意向を最大限に実現したツアーだった。「スペースフー」でのバール・フィリップス3デイズでめでたく締めくくることができた。3デイズの中日10月27日はバール・フィリップスと私の誕生日。78歳と57歳をベースの若い仲間とすばらしい聴衆と祝うことが出来たのは私の一生の想い出になった。ヨーロッパへの道を開いてくれたのも、ベースを交換してくれたのも、ベースに対して、インプロに対してのさまざまな経験と知恵をあたえてくれたのも、すべてバール。このツアーは私のバールに対する「ありがとう」ツアーでもあった。
私の楽曲を演奏するグループとして2011年に始まった「ベースアンサンブル弦311」がバール・フィリップスと演奏することは私にとって一つの賭けであった。しかしそれは杞憂に終わる。私が、(彼らを)「信じ」「聴き」「待つ」ことができさえすれば成り立つものだったのだ。それは即興演奏の精神にも通じ、さらには日常生活でも通じることだ。即興か曲か、というような次元の話では無く、心を開き、身体を開き、目を耳を開くこと、ポジティブに生きることのレッスンだった。メンバーにも沁み渡ったはずだ。もう一度言おう「ありがとう、バールさん!」 齋藤徹