ヴィヴァ ブラジル!

12月からおそらく50回以上聴いてきたジルベルト・ジル新作「Concerto de cordas e Maquinas de ritmo」のDVDとマリア・ベターニャのデビュー35周年記念コンサートDVD、そして「オルケスタ・デ・コントラバス・トロピカル」のDVDが一緒に届きました。我が家はもはやブラジルフェスタという感じです。

 

このジルのコンサート最大の功労者はジャキス・モレレンバウムであることがよくわかりました。カエターノ・ヴェローゾの作品で私が特に好きなのはジャキスがいたころの「リーブロ」や「粋な男ライブ」です。彼の代表作と言えるでしょう。その後、ロック色の強いバンドを始めたためジャキスは離れたようですが、ここにいたんですね。1曲目のMaquina de ritmoでノックアウトです。このオーケストラアレンジは、今までの世界のポピュラー系オーケストラアレンジの中でも最高のものの1つでしょう。ジルもジャキスの協力で生涯の代表作を手に入れたのです。終演後駆けつけたカエターノとジルの「ジャキスがやってくれたんだよ」という会話をジャキスは聞いたでしょうか?

 

ジルは曲順を間違えそうになったり余裕を見せながらも集中力の高さを持続、見事なものです。この元・文化大臣が「次の曲は、監獄で作ったものです。監視の人がギターを貸し与えてくれたんです。」なんて言っています。最近のニュースでチリのヴィクトル・ハラの処刑に直接関与した軍人への裁判の話がありました。歌と政治はいつでも南米のトピックですね。

 

マリア・ベターニャのデビュー35周年記念コンサートは、ともかくゲストが半端でありません。この日のために何人もの作曲家に曲を依頼。ほとんどの作曲家が駆けつけて一緒に歌う。こんなに多くの新曲を覚えてリハをして、マリア、ホントによくやりました。カエターノ、ジル、シコ、レニーニ、カルカニョット、エドゥ、ナナカイミ、ドリカイミ、カルロスリラまだまだいます。ミルトンもスタジオでお祝いを別撮りしています。

 

Tibo Delorというベーシストがリーダーで作ったジョビン曲集CDを持っていました。良い趣味の選曲で、ベース仲間として大変嬉しく思いました。ただ、もともと美音を求める(チェロやバイオリンに近づく)タイプの奏者でしかも大変オーソドックスなジョビンアレンジだったので、「なんでベース?チェロやバイオリンにしたら?」と思ってしまいました。

 

私がピアソラ曲集を録音したときに、ヴァイオリンは想定していませんでしたが、間際に近藤クロさんに会って、この人ならやってもらおうと参加してもらったら、「あれあれ、ベースでムリして弾く必要ないじゃん?」と思ったことがあります。人ごとではないのです。

 

その彼が中心となってコントラバスの5重奏があり、その名もオルケスタ・デ・コントラバス・トロピカル。ヴィラ・ロボスのショーロではみんなで歌いながら演奏したり、ベースを打楽器にしたり、さかんに動いたり、ビリンバウ奏法をしたり、シコ・エドゥの「ベアトリス」をやっていたりと共感できることが多いものでした。

 

メイキング映像をみていろいろな事がわかりました。Tiboさんはフランス人であること、今は10数年ブラジルに住んでいること、フランスでオルケスタ・デ・コントラバスに所属していたこと、などなど。一人で異国で頑張ってきたのですね。

オーストリアにベースインスティンクトというベース6重奏があり、クラシックとジャズを独自のアレンジでやっています。ちょっと似ている感じもします。

 

我がベースアンサンブル弦311も特長を活かして頑張らねばね。

 

 

 

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