ヨーロッパ1

雨のデュッセルドルフに到着。年々、長時間フライトがつらくなってきています。エコノミークラス症候群でしょうか、肋間神経痛。ビジネスクラスに変更できる予定は今後ともありませんのでガマンガマン。

ジャンさんが迎えに来てくれているのでまっすぐブッパタールへ。二年前、一ヶ月逗留していたので懐かしい眺めが続きます。確実に少年になりつつあるナエル王子の可愛さは変わらず。

翌日、カフェアダで「賢治を探して」 のリハを見学。五人のダンサーが懸命に何度も何度も稽古を繰り返しています。こういう丁寧なリハーサルが当然のように行われているのは改めて羨ましいです。日本では、リハ不足が常態化。

その場は何とか繕うことができても、個々人の納得度、確信、将来につながるものの差は歴然としていると思います。直毅さんと私で担当する音楽もよく考えないとイケマセン。これだけキッチリ振り付けがきていていれば、音だけが即興というのは、バランスが悪すぎます。頭でいろいろな音楽を当てはめて選択して行きます。

翌日、オルトへ。WIO ブッパタールインプロビゼーションオーケストラのリハーサルへ。オルトの壁には昨年演奏した喜多直毅さんの写真が飾ってあり、なんだか嬉しい気分。
一昨年このオーケストラと共演しているので顔見知りも多く楽しい。シンフォニーの団員、少女、いかにもビールの好きそうなオヤジ、ニンのジョンケージプロジェクトのメンバー、ジャンさんもボイスで参加しているし。ジャズ系の人が少ないのもここの特徴でしょう。今回は、また私も参加する予定です。水に水彩絵具を垂らして映像化する美術家も参加との事。

東京でもMIYAさん、岡本希輔さんたちが始めていて三月にお披露目をするというTIO東京インプロビゼーションオーケストラは、ロンドンの組織と協働していますが、ここブッパタールのオーケストラもロンドンと協働しているので将来のつながりの可能性も楽しみです。

ベンダースの「ピナ」がオスカーにノミネートされていて、取れるのではないかと、市をあげて応援していました。スイミングプールにパブリックビューを設け未明四時の発表を楽しみにしていましたが、落選。ピナさんの劇場を取り壊したりしていたのに急に態度を変える市の体質に多くの関係者は懐疑的です。いずこも同じなのですね。

ちょうどその夜、映画で人気を博したジャンさんの愛犬スロッギーが、私も一緒だった散歩途中で失踪。一時間後に無事見つかるという事件がありました。オスカーで右往左往する人間どもをからかっているようでした。




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