時間が無かったり、ネットの環境がなかったりでアップできませんでしたが、みなみなさまのお陰さまで、順調にツアー進行中です。
西尾のコンサートは、御所にあった近衛邸を移築した日本家屋でのコンサートでした。
野外で、ということでしたが、雨の影響で屋内で行われました。近衛邸の昔ガラスと障子の中で、雨と風の音があいまった時間でした。湿った環境で、小鼓の鳴りを気にしてしきりに楽屋で皮を乾燥させている久田さん。毛氈を敷いた場所でのコンサート、畳、茶室、初めてのものばかりで興奮気味のフランス人。
名古屋のコンサートを下敷きにして、休憩を入れ、ミッシェルと私とのデュオを加えたものでした。久田舜一郎氏との共演は、ジャズのようにだんだんと盛り上がっていくのではなく、初めの1音から緊張感を強制されるので、演奏家も聴衆もそれに従うしか有りません。
翁三番叟は、全回よりニンのダイナミックスが増し、どんどん出来上がっていくようでした。即興も賢治も全く違う様でした。謡いには、屋根にあたる雨の音程を扱うものもあります。その話を思い出しながらの演奏は至って楽しいものでした。初日に見えた沖縄の方、彦根・西覚寺の住職ご夫妻、エアジンであった山下真理さん、地元でインプロをしているベーシストなどいろいろな人に会えました。ここでの出会いは特別に思えました。
終演後、雨は次第に強くなり、宿舎の知立へ向かうときは翌日の広島行きが懸念されるほどでした。
しかし翌朝、雨はほとんど止み、8時に出発。古いカーナビに無い道を選びながら広島の会場に着いたのが午後4:30。そのままセッティング。ニンはヨガ、私は横たわりエネルギーをセーブ。天井が高いホールはすばらしい音響で、ミッシェルやニンのフォルテッシモもOK。その音に誘われるようにインプロを心行くまで楽しみました。私もミッシェルもバールも長年広島でやってきているので、インプロの音にも慣れた聴衆が良い感じで集まっています。盛り上がりに呼応しあう演奏家と聴衆。1時間で一区切りしたのですが、拍手が止まず、2回のアンコールに答えました。
そのまま宿舎で美食に舌鼓。翌日9時に広島駅に出発、午後の佐賀公演に備え、この日だけは列車移動。日本の鉄道に感激しきりのニン。博多で乗り換えて佐賀はすぐ。会場入りをして、少し横になると演奏開始。2枚の大きな紙に小林裕児さんがライブペインティングをします。前半は、私たち3人とマイキを描いてくれました。1時間ほどかかりましたが、あっと言う間でした。後半は、三人の倍音が膨らんでいく音響を維持しながらの時間でした。それはそれは気持ちの良い時間が進んでいきました。こういう演奏が初めての人が多かったのですが、美術系の方も多く、即興的に起こるユーモアもしっかり受け止めてくださいました。
全く違う2枚の絵はその日のうちに画廊「憩ひ(やすらい)」に飾られました。佐賀で由緒ある旅館で宿泊。日本のいろいろな文化と知恵が詰まった食事や部屋を楽しみました。
さすがに疲れも溜まっていて早めに就寝。翌日、画廊を訪問。飾られた2枚の絵や、裕児さんのドローイングを楽しみました。そのまま駅へ向かい、広島へ。駐車しておいた車に乗り、広島平和資料館へ。ニンもミッシェルもじっくり資料を見ていました。その後、宿舎で日本酒をいただき、映画「茶の味」を鑑賞。
ニンの写真ブログ様子がおわかりかと思います。 (http://www.lequanninh.net/blog/)
明日は、京都、そして神戸そして東中野、あと3本です。ふーーー