注文の多い理髪店?

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ジャンとのデュオについて@バーバー富士
世界中いろいろなところでデュオをやってきましたが、5月30日のバーバー富士でのデュオは、特別なものになりそうな気がしてしかたありません。
「日本の観衆だけが気づいた動きがあったんですよ。」とジャンは嬉しそうに言います。だから日本が好きなんだ、と言いたげにみえます。「本当に、本当に、少しだけ身体を微妙に動かしたんです。何回か世界中で試したのですが、日本の人だけがそこに気づいて感想を言ってくれたんです。」
また、こんなことも;
3年前の「千恵の輪トリオ」ツアーでピアソラ作品を演奏し、ジャンが踊りました。その中で、「顔ダンス」というのを毎回披露してくれました。曲は「MORT」。あまり有名な曲ではありませんが、高柳昌行さんの想い出に演奏しました。ある時は椅子に、ある時は正座して座ったジャンさんが顔の表情を本当に微妙に変えていく。それが顔ダンスということ。
能の小鼓の久田舜一郎さんとジャンさんが共演した時も、じっと「待つ」ダンスをしました。西洋のダンサーやミュージシャンは、ともかく素早く反応することが多いのですが、ジャンは待つことを選択。身体の中で激しく動いていました。それはシテ方と同じなのかも知れません。
ご存じの方はご存じでしょうが、バーバー富士のスペースでダンスをするということは普通考えられません。ジャンにはちゃんと事前に説明しました。「横に一歩分くらいしか動くことの出来るスペースはないよ」と。しかし、それでもやってみたい、と言うのです。
ムリだよ、と言って簡単に終わらせるのではなく、Enjoy the difficulty(困難を楽しむ)。そこに大きなチャンスが待っているわけです。インプロバイザーはあらゆる機会に敏感でなければイケマセン。「良い環境」でやれば「良い」パフォーマンスはできます。それはプロなら当たり前。しかしそれはその「良さ」に縛られてしまって想像のつく「良さ」以上には行かない。
腕ダンス、目ダンス、鼻ダンス、指ダンス、などなどが世界初のダンスが披露されるのかもしれません。想像を超えるものが目の前に現れるでしょう。その空間を共有しようではありませんか?ジャンも私も聴衆のみなさまも等しく同格。皆さんの力が必要です。ご一緒にその空間を創り、味わいましょう。
とにもかくにも、私たちの今後の展開に大いに関わる大事な、そして特別なパフォーマンスになるに違い有りません。是非ともご来場くださいませ。             齋藤徹