コンドルと東京と賢治さんとおらしょ

毎日、長岡輝子さんの宮沢賢治朗読を聴きながら暮らしています。もちろん、23日の東工大でのパフォーマンスの準備ですが、本を読むのとまるで違う印象です。賢治さんが話し言葉を意識していることがよくわかりました。長岡さんの岩手弁は上品で、時にお茶目で楽しいし、「永訣の朝」や「無声慟哭」では哀しさが極まります。ジャンさんにも聞かせていて「Ora Orade Shitori egumo」のegumoが「行く」の説明をしたりしています。行く(iku)が寒い地方だとあまり口を大きく開けないのでiku が egu になる、なんて一緒に変遷を確かめたりして遊びます。実は、イーハトーボ出身の直毅さんに朗読してもらうという希望があります。(彼のおばあさまは奇遇にも「としこ」さんだそうです。)
我がホームグラウンド東中野ポレポレ坐は、原発映画の特集をやっていたりして
このところ連日満員の盛況。良いんだか悪いんだか・・。秋野亥左牟さんの個展開催中ということで、やっとのことで日程を合わせてジャンさんと訪問しました。なにしろ乾千恵さんの最新傑作絵本「たいようまでのぼったコンドル」(福音館書店)の原画がすべて展示されています。その強烈な絵に魅せられていたので是非観なくてはと思っていました。また秋野さんのユニークなキャラクターを知っているのでジャンさんと出会わせたいと思っていました。(私はずいぶん前に岡山の山奥のモスケさん宅で亥左牟さんに会っています。その時は林栄一・小山彰太というジャズトリオで訪れたのでした。)
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会場に着くと、亥左牟さんは椅子を並べてお昼寝の最中。良い感じだにゃー。起こさないように絵を鑑賞。どの絵も東京の中では異様に輝いていました。やっと起きた亥左牟さんにジャンさんを紹介。常に自由な心を保つヒッピー亥左牟さんとジャンさんはモロッコの話から急に打ち解けてきました。1968年(ヨーロッパでは大きな変わり目の年)にソ連からヨーロッパに入り旅をした記録の長い長い巻絵を説明してくれたり・・・。68年のヨーロッパのように2011年の日本は成らなければならないのに、なんて思いながら楽しそうな自由人二人を眺めていました。
サヨナラをして「いずるば」第2回のジャンさん体操+気の道入門ワークショップへ。やはり参加者は少なかったけれど、ライブに来てくれて興味を持ってくださったかたもいらっしゃって、和気あいあいと、身体を動かしました。まだ何回か有ります。是非ご参加くだされ。
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翌日、ポレポレ坐「うたをさがして2」のリハーサル2時間、引き続き、じゅんこさんとジャンさんが入れ替わり、「賢治さん」リハーサル3時間。フーっ。
じゅんこさんは「おらしょ」を提案。なんとも不思議な世界です。不思議な感覚で演奏できます。うたをさがす旅は、興味が尽きないところに途中下車できそうです。賢治さんものの直毅さん朗読はまさにドンピシャ。長岡さんよりも強めのアクセントが私の耳と目をくらくらさせます。「永訣の朝」「インドラの網」「原体剣舞連」「風がおもてで呼んでいる」などを上演予定です。
さてさて明日は五禽戯です。晴れそうですので、きっと庭でやることになるでしょう。楽しみです。