ベースアンサンブル「弦・gamma/ut」(4)

Enjoy the difficulties.(困難を楽しもう)
マレーの悪友ザイ・クーニンに教わった。
私が病気をしているときに看病に来てこう言ったのだ。一瞬何を言っているのかわからなかった。しかし、すぐに大きな意味を見いだすことが出来た。シンガポールのマレー人しかもシャーマン系という多層の被差別の中で育ってきた彼にして言える言葉だ。
こういう状況の国・原発のなか、みんながストレスを抱えている。しかし音楽が「そうだよね。みんな苦しいよね。」と気持ちをなぞるだけではダメだ。時の流れを止め、陥っている考えを客観視し、停滞しているものを流れさせることこそが「役目」だ、と大きな事を考える。困難の中に解決が隠れている。不安があるから期待が成り立つ。
ベーシスト5人が揃っての初めてのリハーサルもなかなかしんどいものだった。産みの苦しみなのだろう。ひとりひとりが大きな楽器を大きな気持ちを抱えて「いずるば」にやってくる。学校で教えてきた人、他のリハーサルに行って来た人、引っ越し最中の人、白樺花粉症だけだったのが杉花粉症も発症してしまった人さまざま、yeah yeah yeahs、お帰りなさい、入籍おめでとう、どうしてた?でともかく音を出してみる。音は自分の先を行っている。自分の出した音を良く聴こう。ヒントに満ちているはず。自分が音楽を作ると思う以上に、自分が音を聴くという姿勢が大事。年長者が示すべき事は多いな~。
「どのように、なぜ、なにを?」
enjoy the difficulties.
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5台の銅鑼(チン)を用意した。心を静め、震災を思い、欲から離れる。クッコリだ。5台のチン合奏は、映画「赤目48瀧心中未遂」の録音時、座高円寺「オンバクヒタム」の時に使って以来になる。韓国に通っていたときに、チンの音色に魅せられた私は、ムリに頼んで大きなチン、小さなチンを作ってもらった。「そんなの作ったこと無い」と言われた。それは歴史に対する冒涜だったのか、「普通」のサイズのチンのようには使い勝手が良くない。いま「普通に」あるチンは長い歴史を経て「最終形」になっていたのだろう。
enjoy the difficulties!
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これから5月8日まで、短く長い旅が続く。ボン・ボヤッジ!ベースアンサンブル弦。

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