正月のライブパフォーマンス「虎」からあらぬ方向に進んでいます。ちょうど風是(風邪ではない、という乾千恵さんの教え)でだるさを充分エンジョイしていますので、寝ていて右・左・上・横あらゆる手の届くところに何冊か本を置いてとっかえひっかえ読んでいます。
マレーの虎・ハリマオからは「マレー蘭印紀行」の金子光晴さんへ移動、ちょっと長居しそうです。案内人はキワーオこと野村喜和夫さんの「金子光晴を読もう」(未来社)でした。紀行ものではニコラ・ブーヴェイの本が面白い。私の生まれた頃の日本・東京・北海道など、独特の視点から見ている。日本史の捉え方も教わることが多い。そのころから録音機も持ち歩き音を録っていたそうで、CDもフランスではでているようだ。そのサウンド・スケープを聴いてみたいものだ。荒木町に住んでいた頃、このスイス人旅行者はお金に困って写真を撮って売ることを始めたという。アジアの放浪者・金子光晴も猥画を描いて売って移動していたのとちょっと重なったり。
そうそう、5月に来日するマレーの友人ザイ・クーニンと、母方にマレーの血をもつ南アフリカ人ダンサー、ジャッキー・ジョブと私のセッションがありそうです。決まり次第お伝えします。時間的・空間的に長くて重たい橋渡しになりそうです。
視点のありかた、日本への興味の持ち方、写真、録音などがジャン・サスポータスさんに似ている気がして、すぐさまメールでお知らせ。そうそう、ジャンさん3月末に来日です。東工大の授業のためです。空いた日にライブを少しばかり企画始めました。決まり次第お伝えします。お楽しみに。
韓国の虎からはキム・イルこと大木金太郎の自伝を手に入れる。訳者の名前がちょっと気になって調べたら、あの「太刀川・早川事件」の太刀川さんでした。金大中大統領に最後のインタビューをしたことも判明。民青学連事件といって、詩人・金芝河さんら1000人以上を、パクチョンヒ政権が連行、8名死刑。その中にこの二人の日本人が入っていて、懲役20年の判決を受ける。その後、300日拘留され釈放・帰国。その時期に私は韓国語を習っていたので、よく覚えている。(まだ夜間外出禁止令のそのころ2回韓国に行っているので、ピリピリした空気をよく覚えている。)
その事件の裁判の結審がこの1月27日ソウルであり、この事件はでっち上げによるもので完全無罪が宣告された。
アジアの事件・歴史・戦争はほんの薄皮1枚で隠されているだけで、いつでも、どこでも私たちの身の回りにあるのだ、という実感。
早川さんはどうしているのか、と思ったら、NHKのテレビ韓国語講座でかつて講師をしていた白髪の長髪の人なつっこいあのおじさんだった!これにもびっくり。
(写真は、東南アジアのドンドン島での夜明け、中央左のタオルケットのところで寝たのでした。)