北海道ツアーの続きの続き

さて、ベースキャンプのモケラに戻っての2日連続公演。ダンスのとツアーは、私も身体のことを気にするのでとても良い。ジャン体操と言い、工藤ストレッチと言い、身体に良いことは確か。毎日続けると良い。といっても、帰ってくるとすぐ忘れてしまう。第一自宅にストレッチをする場所が無いのである。

工藤さんは、夜の公演のために朝からストレッチを繰り返す。1つの動きを1時間位平気でやる。こういうことは、こちとら発想さえない。たいしたもんだ。少しだけ一緒に身体を動かす。

モケラの常連たち(女達の一弦ワークショップのメンバーと重なる人が多い)は工藤さんのことを「オサラッペ兄貴」と呼んでいる。どんなに深酒しても、いつの間にかいなくなり、裏に流れるオサラッペ川に沐浴している。海岸沿いに宿を取ると、いつの間にか、海に入っている。毎日毎日、身体と自然のことを考えて、何かしら実践している日常なのだろう。そもそも人間の身体はまごう事なき100パーセント純粋「自然」なのだから、自然との距離ができてしまっている現代都会人の心が病むのは当然。身体と自然を近づけることは、単純には行かなくなっている。

身体を通して自然との距離を近づけようという耳・眼・心には、無為な口論、見栄と虚栄・我先に得をしよう、決して損してなるものか、必要以上の情報は、なんとも避けたいことだろう。無口になるのも当たり前か。かといって霞を食らう仙人になれるわけでもない。外国に行くにはパスポートも要るし、日本銀行発行の絵はがきを持っていないと、好きな人と好きな酒も飲めない。確かにムズカシイ生き方だろう。(人のことは言えないか・・・・)

ひとりひとり思いのままリハーサルをゆっくりして、4時過ぎには健康的な食事をいただき、同じ場所で、公演できるのは本当にありがたいことです。仮眠をとることも、散歩に行くことも自由。ただただ開始時間の一点に気持ちを向けていれば良いのだからまさに理想的環境。いろいろな人の気持ちと努力で、そう言う環境を作っていただいているコトにゆめゆめ感謝を怠ってはバチがあたります。

第1日目はマイキーの誕生日。思えば10歳の時は、アビニオンで仕事があり、連れて行き、「あと10年したらまたここで祝おう」と回転木馬の前で約束したが、諸般の事情で叶わず、申し訳ない思いだった。今年25歳のモケラモケラは、なかなか良い。一弦メンバーら良き先輩たちに囲まれて楽しそうだ。これに合わせて、バイトを切り上げ北海道入りをしたのは大正解。

2日間、全く違う公演になった。私たちはありったけの今を乗せたつもりだ。聴衆もありったけの今をぶつけてくれた。多くの時と場と気を共にしたモケラ夫妻と涙の別れをして、苫小牧へ車を走らせフェリーに乗り、仙台へ。

仙台は工藤さんの故郷。「あべひげ」さんという人が工藤さんを応援していて、急なお願いだったけれどデュオをプロデュースしてくれた。ご自身の店「あべひげ」の隣のビルの最上階に小学校の体育館・講堂のような空間がある。そこが会場。あたたかなスタッフばかりでたいへんありがたい。あべひげさん御自身は、二人に一人の国民病になり、アルコールを控えていらっしゃったが、気持ちがグングンと伝わる人。工藤さん、良い応援者がいてこちらも嬉しい限り。

エアコン無しの汗だくの1時間があっという間に過ぎた。私が韓国にはまっていた頃の知り合いが当地で画廊をやっていて久しぶりの対面。長野・玉木さんも旅行中に来てくださる。もちろん打ち上げは「あべひげ」にて。集まった皆さんとは、共通話題が多くて、話が早い早い。酒も旨い。しかしあまり羽目を外すわけにはいかない。翌日の帰京予定日が、お盆のUターンラッシュの初日。朝5時に起き、帰ってこなかった工藤さんを待たずに出発。あっけないくらい渋滞もなく、スムーズに久しぶりの東京へ。あまりに早く着けたので、お盆のお墓参りにも行くことができた。

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