束の間の晴れ、思い切って朝から出かけ、画廊巡り。
まず、東京駅八重洲の「不忍画廊」安元亮祐 20年の軌跡 の最終日。
どの作品も、制作時の孤独の深さとインスピレーションが感じられる。それを感じただけでも、来て良かったと思う。昨今、私は雑事に満ちていて、事務の身体になっていることがわかる。音楽はどこへいった?聴覚を知らない安元さんの作品は、本当にとても「音楽的」。
だいたい同年齢で、髪の毛も何となく似ている安元さん。画集を二冊求め、一冊にはジャン、アンニャ、ナエル、と名前を書いてもらった。良いおみやげができた。
南麻布の写真画廊「エモン・フォトギャラリー」での公文健太郎さん(http://www.k-kumon.net/)の個展「グラフィッチ」ブラジル・サンパウロの路上の画家たち。彼らもうまくなって街の人々に気に入られると、どんどん描いていいそうだ。電話番号などを絵の中に描いておいて、次の仕事に繋げる。その代わり、良くない絵は消される。ストリートの子供たちに、路上絵画を教える学校もあるという。そんなサンパウロの現実が切り取られている。
公文さんは、ポレポレの関係で知り合った若い写真家。以前はネパールを撮っていて「大地の花 ネパール 人々のくらしと祈り」東方出版、を出している。この写真集もすばらしい。若いカップルで、溌剌と仕事をしている感じがとてもまぶしい。奥様が私の娘のポレポレ仲間。これは7/18までやっています。
最後は、清澄白河の深川資料館通り自体が運営する多目的文化スポット「深川いっぷく」http://www.fukagawa-ippuku.jp/での市川洋子展「野にいでて」。(↑の写真)ご本人曰く、昔のガラスに「足したり、引いたり」して作品を作っている。ステンドグラスではない新しいジャンルになるのか。昔ガラスの微妙な変化とそれを引き立てるアイディア、謙虚にガラスに向かうことで匿名性にも近づくようにも見えた。音と同じことを考える。
外国の街のような南麻布から、地下鉄を乗り継ぎ、清澄白河にでると本当に東京の下町だった。何かホッとするものがある。東京都現代美術館へ向かう通りをみんなで活性化しようとしているようだ。
ん?この感じは、そうだ、大阪・京都のざっくばらんな感じに似ていることを発見。この前、さんざん東京の悪口を言ったが、その「東京」は「外からやってきた東京人」が密集してイライラしているだけの話で、このあたりは、精神的に疲弊していないようです。そしてこのあたりこそが本当の江戸・東京なのですよね。
私が居た短時間にも、たくさんの街の人たちがちょっと寄っては、話をしたり、コーヒー飲んだり、トイレを借りたり、人と人とのつながりを信じている良い感じだった。
個展は12日まで、11日にはテルミンのコンサートもあります。