ツアーに

やっとジャンと連絡が取れ、会うことができました。急遽帰国ということも想定して成田へ送る段取りも考えていましたが、予定通り6日まで講義をして7日に帰国ということ。

メールボックスには50を超えるメールが待っていたそう。「こうやって遠くにいるために、現実感が薄いんだ。ブッパタルだったら違ったかもしれないけどね。私は、もともとこういうことには時間がかかるタイプだしね。親友のピーター・コバルト(かつての共演ベーシスト)がニューヨークで亡くなったことも、いまだに信じられない部分があって、きっとどこかにツアーに出ているだけと思っているところもあるんだよ。」

ピナのカンパニーでは最古参になるジャンさん。それこそ数え切れない共有体験があったことでしょう。きっと無意識的に受け入れないようにしているのかもしれません。「ツアーにでている」って使えるフレーズですね。今後、私も採用したいと思います。

ピナさんは、1年に1回か2回は、かなり不調になっていて、カフェ・ミュラーも代役を立てることもあったそう。いかに医者や友人にタバコを止めた方が良いと強く言われても、決して止める人ではなく、自分の生き方を変えなかったそうです。

今、ジャンさんにとって、ナエル君の存在が最大の助けになっていることでしょう。人間はこうやって、喪失感を希望に変えて来たのかも知れません。幡ヶ谷のコーヒーショップで、泣いたり、笑ったり、熟睡したり、叫んだり、のナエル君は生きることにとても忙しそうでした。

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