ピナ・バウシュさんの訃報で一日、仕事も手に付かず、心中穏やかではなかった。昨夜は「いずるば」で小さなホーム・パーティがあった。ジャンさんが0歳の息子ナエル君を日本の家族に披露したいというので「いずるば」の芳子さん・竜太郎君、小林裕児・あき子さん、と私で祝杯を挙げていたのだった。来年はなんとかブッパタルに行こう、何月が可能性あるだろうか?などを少しずつ具体的に話していたところだった。日本に来てから初めて固形物を少しずつ食べるようになったナエル君が、里芋とかサクランボを懸命に食べるのをみんなで微笑ましく見ていた。
ナエル君も、ピナさんが出産した時と同じ産婆さんに取り上げてもらった。代表作であり、ピナさんが出演する唯一の演目『カフェ・ミュラー』では、ジャンさん無しではありえないので、世界中何処でもカフェ・ミュラーをやるときはジャンさんは駆けつけている。今年夏、ジャンさんと私でコロンビアのフェスティバルhttp://www.festivalimpulsos.com/に出演することになっていて、その後、ブッパタル、サンパウロとカフェ・ミュラー上演が決まっていた。
そもそも、カフェ・ミュラーでのジャンの役は、亡くなってしまったピナさんの旦那さんがやっていたもの。ほんの何回かでジャンに変わってその後二十数年。
ちょうど、ジャン一家が宿舎を変えたばかりで、ネットも電話も無い。私は住所も知らなかったので、連絡のしようがなかったが、今頃は大学でネットを繋げているころだろう。心中察するに余りある。