ダンスと美術とお寺と(1)

私の周りは、「ダンス、美術、お寺」関係が多いです。この一週間、ずっとそんな感じでした。ジャン・サスポータスさんが奥方と王子をつれて来日。荷物がとても多く重いというので、成田へ車で迎えに行きました。王子が生まれて(昨年12月)からというもの、パパは超多忙。ピナの大きなフェス、自分のフェスティバル、ブレーメンでは赤ん坊~小児300人とのセッション!それを終えて直後の来日でした。

初めての飛行機内でも良い子にしていたナエル王子は、パパに似てとてもハンサム、「いつも周りをチェックしている」とパパが言うように、周りを興味深そうに眺めています。私の関係でこの一ヶ月で二人誕生していますので、ちょっとしたベビーブーム。この子達を、地球はやさしくうけとめてくれますように、と祈るばかり。

翌朝、京都へ。新幹線移動。旧700系のぞみだったので、11号車に荷物室あり。大変助かる。駅にMKタクシーの中型を予約しておいて、楽器も無事に積む。このごろ助手席がリクライニングしない構造の車両が激増していてコントラバスが載らないことが多い。また、ドライバーの後頭部に透明のボードが付いているものも激増。このボードゆえにコントラバスが載らないことがある。(これは、後ろからタクシー強盗を避けるためだ。)世知辛い世の中に、世間知らずのコントラバス奏者も振り回される。

京都芸術センターという元小学校だったところ。東京の公立小学校を出ている人間としては全く信じられないような立派な作りになっている。京都の文化の浸透度、あふれる富、東の田舎者には別世界。(昨年7つのピアソラで公演したのも同様の市内の元小学校だった。)岩下徹さんが呼びかけ、私と黒沢美香さんが参加。翌日は他のゲストとのセッション。

岩下さんの生真面目なところは、もともと魅力的だ。公演が終わってからも身体をほぐすといって体操する。膨大な固まりとなって襲ってくる情報には見向きもせず、ただただ身体に問いかけ、その答えだけを信じるという姿勢、そして、贅肉の一切無い身体は求道者のようだ。何もそこまで、と思うこともあるが、その生真面目さが時に本来の意味の「ユーモア」(人間性)に直結していく。

7つのピアソラではジャンさんとタンゴのデュオを踊った。東野祥子さんとの時は、一緒になってはじけた。今回、黒沢美香さん。大病を克服してからも精力的に踊り続けている。大地に根を張ったような存在感と、世の中に対する鋭い批判精神は、ご本人の意識・生き方を直に反映している。本当に稀なダンサー。

到着するや、岩下さんから、今まで決めたことはほとんど無し、とのお話。東京で二回打ち合わせをし、リハーサルをし、メールをやりとりして、だいたいできあがった予定をほとんどゼロに戻す。いいでしょう。わかりました。私に残された予定は「世界の名曲」をちりばめるということ。他のジャンルの人との共演はこういうことが楽しく、辛い。音楽だけだとそんな発想は出てきようがない。こちらも苦手ですとか、勘弁してよとか言わずにチャレンジする。もちろん課題はキッチリ検証しなければならないが・・・・

あっという間で公演は終了。東京から何人か観に来ているのでビックリ。あたたかな打ち上げ。霧雨が降りはじめ、明日の移動を心配しながら就寝。

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