「徹の部屋」第1回終了

終演後のトーク、散らばった鳥の羽とパン屑

「徹の部屋」第1回無事終了しました。

ご来場の皆様、ポレポレ坐スタッフ、遠くから「気」を送ってくださった方、ありがとうございました。

「おたがい驚かすようにやりましょう。一緒に旅をして、故郷へね。ボン・ボヤッジ!」とジャッキーと話して出航しました。暖かい客席が何とも嬉しかった。ジャッキーのご主人(フランス人)がモデルの仕事もしているので、とってもとってもカッコイイ友人たちを中心に非日本人率が高い客席でした。(普段何気なく使っている『外国人・外人』という言い方はとてもイヤだということです。英語でもforeignerではなくnon-Japaneseが良いとのことです。)

徹子の部屋のように?演奏後、フレンドリーなトークをめざし、やってみました。ダンス公演のあとよくある『アフタートーク』(変なコトバ!)というよりは、ジャッキーの人柄に触れてもらい、終演後の談笑がスムースに行けば良いと思ったためです。

もちろん、「言いたいことは『演技』ですべきで、しゃべる必要はない。特に演技後すぐにちゃんとしたことが言える訳ない」ことは先刻承知しております。しかしもって行き方によっては、と思い実験したわけです。最初はぎこちなかったけれど、きさらさん(ポレポレ坐スタッフ)の司会で少しずつ和み始め、客席との活発な話になりました。よかった、ふ〜。

ジャッキーが教えている東京シューレ大学http://shureuniv.org/top/から学生が大勢来てくださっていて、おざなりでない質問を直球でぶつけてくれました。本気で学ぼうとしている学生達の真摯な眼差しには素直に感動します。トーク終了後も、ずいぶん彼らと話をしました。こういう礼儀正しい、求めている若者に会うことは本当に嬉しいことです。ずいぶん突っ込んだ話にもなりました。この大学の存在を知ったことは大きな収穫でした。

英語で即興について興味深い質問してくる方がいて、アレッと思いました。韓国の方でした。アジア顔をしていると何も考えずに日本人と思ってしまう自分に反省です。演奏で韓国のチャンダン(リズム)を使いました。オンモリという5拍子です。珍島出身のシャーマン、パクピョンチョンさんに、オンモリは『これから何かが起こる』あるいは『動物』を表すんだと習いました。ぴったりのシーンがあったので即興的に使ったのです。

そうそう、アジアとアフリカが思っていたより近い、というのも新鮮な発見でした。また、ジャッキーの愛娘一歳のパロマが、ベースを横に寝かせて弾く音に異常に反応していたという指摘がありました。つい一ヶ月前に旭川での経験とダブります。

ジャッキーがプログラムに載せた詩です。

帰郷                     ジャッキー・ジョブ

昔、青づくめの娘がいた

何をしたらいいのか、わからなかった

ぐるぐるまわったり、二回、三回と飛びあがってみたり

集中したり、隠れたり、

自由なように見えるけれど

何になるのか分からずに息が詰まってしまう

呪文のようだけど

文にはなっていないもの

それがどんどん大きくなるので、いつもつま先立ち

ああ〜

詩を作る必要があるのだ

この愛らしい青い乙女は爪、傷、恐れを持っている

そのために自分を大きく感じたり、不確かに感じたり

いつ、どこで、もし、どのように

彼女の人生がバラバラになったら

どうにか、もとにもどる?

のぞき穴が現れたら

笑いや、ほめ言葉は消えてしまう

彼女はゆっくりゆっくりその場所に直面する

謎解きは分かっていても、疲れて眠り込むその日まで

すべてが隠され、膨らんでいくような多くのもので、うまいこと覆われている

魂は話しかける、揺れる、言う、

ホラ、聴いて、叫んで、

ひっかいて、おならして、這い回って、

重荷から解放されるために必要なことをするんだよ

彼女は、「以前」の状態に落ちていった

人間以前、「形」以前、

「普通」以前

何でこんなに激しく変わるの?

最初はまったく問題なかったじゃない?と聞かれる

自分自身の皮膚、はらわたを見つけるためには、解き放たなければならない

それが答え

さもないと、真実を忘れ、生まれたのと逆の方向に引き裂かれてしまう

不思議の眼をもった羽が飛び散る

その羽がまどろみから目覚めさせてくれる

彼女は飢餓の運命・必要・状態を観る

光を、力を、求めて呻きながら、

金切り声を上げ、背伸びをし、巻き付け、

元に戻し、裏表にし

黄昏時、もっと捻ってみる

エゴ、自身、イメージ、痛みの消失を思って、ねじ曲げるのだ

ヴィジョンをもち、自身の根源をもっていなければ、多くのものを得ることはできないことを知る

ああ、天からパンが与えられる、それを見つけ食べる

すぐさま満たされる

何を・どのようにすべきかがわかる

生まれ故郷への入り口に立つ門のところで彼女を守り保護してもらうために

パン屑で聖なる円を描く

実際に生まれたところ、もう一回生まれるところへの門

ここに掟

一回二回三回四回

あなた自身に通じる、あなたの皮膚に通じる、あなたの中心へ通じるドアを開けるにはいくつもの方法がある

シーッ!静かに

呼ぶ声が聞こえる

自分の歌が、自分の感覚、自分の音、自分の香が聞こえる

ラララ〜

それはおとぎ話の香

シーッ!静かに

やるべきことがもっとある

すべてのワナを取り去る

一つ一つむき出しになっていく

感謝しながら、丁寧に自らを洗い清め、朝露とともに生まれ変わる

今はもう

どうやって、どこで、いつ、なにを、もし

することはわかっている

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です