メキシコの旅 1

8時間待ったロス空港での詩人、3回席を換え、最後の2時間位の勇士

野村喜和夫さんhttp://www.kiwao.com/ と現代詩のフェスティバルに参加するため、四泊六日でメキシコ・シティに行ってきました。詩人と行動をともにするのは初めてのこと。14冊の詩集をものし、各賞を取っていて、いくつもの大学で教え、詩人団体の代表を務め、詩のフェスティバルのディレクターをしている人となると同行するのがめんどくさいのが普通でしょう。しかし、彼を紹介してくれたのが音響エンジニアの川崎克己さん(物故)だったこともあり、どんなえらいセンセーでもため口で飲んでは喋っていました。そして、私に対してはえらいセンセーを見せないでいてくれました。いろいろ失礼したことでしょうが、できの悪い寅さんと思って堪忍してくださいまし。

およそ10年前、「風の配分」(水声社)という本が高見順賞を受賞した記念イヴェントで初共演。その頃の私は、ちょうど神奈川フィルとの共演のために作曲で奮闘中、知人別荘へ行った時にその本を持って行きました。曲に煮詰まると本を出し読みますが、どうやってもなかなか頭に入らない。困った困った。そこでキーワードをいくつか選びノートに写し取り、分類していくとスーッと読めました。なるほど、これが詩人か、と。

その後、「風の配分」の写真kikiとのコラボで一回、また、奥方の真理子さんhttp://www.jspanish.com/school/mariko-nomura.htmlのフラメンコ公演「王女メディア」で二回(二回目は川崎さんの追悼公演でした。)ミッシェル・ドネダ二度目の来日の時(この時、アメリカ合州国がアフガニスタンを攻撃開始があり、日本でも反戦で少し騒然としていたことを思いまだします。それもどこへいってしまったやら。DVD「spring road」に少し収録されています。)、最後は、イタリア文化会館での詩の国際イヴェントで共演をしていますが、何しろすべて川崎さん・真理子さん主導で物事がズンズンと進んでいたので、ちゃんとお話をしたことが無かったことに気がつきます。

ご自身を「国語国文学的身体」と称する喜和夫さんは、しかしフランス語詩の翻訳や教師も長年勤めています。膨大な知識は何を質問しても、下世話な話、果ては下ネタでさえ、的確に答えてくれます。一方の私は謂わば「文字の世界」から逃げるように「音の世界」に入った訳ですので、意外に二人が補完し合うように感じられることがあります。

成田ーロス・アンジェルス(9時間)ロス空港での待ち時間(8時間!!!)ロスーメキシコシティ(3.5時間)を二人でもっぱら飲みながら喋って過ごしました。(おかげでお互いの親戚のことまでよく知るようになってしまいました。)

それにしてもアメリカ合州国はひどい状態ですね。乗り換えで立ち寄るだけなのにいちいち預けた荷物を受け取り入国・出国手続き、左右親指の指紋、目の写真を撮るのですから。これは何の為なのでしょう?乗った国の審査が信用できないのか、そんなに自分の国だけしか信用できないのでしょうか?行きも帰りもロスで入国・出国を繰り返しました。帰りなど、メキシコ空港でチェックイン後に買ったテキーラで引っかかり、二回も審査に並ぶ羽目になりましたぜ。ふーっ。

アメリカ合州国を通るということだけでメキシコの入国ビザが必要だったのかもしれません。見当外れの被害者意識からいろいろな面倒をわざわざ作り続け、自らも疲弊しているようにしか見えません。その間にも儲かっているグループがいるのでしょうが・・・・

深夜メキシコに降り立つと寒いので驚き。南と言っても高度が高い。今年で4回目という詩の大会POESIA EN VOZ ALTA 08

http://www.casadellago.unam.mx/site/index.php?option=com_content&task=blogcategory&id=87&Itemid=95からスタッフが迎えに来てくれていて五つ星ホテルに着くとどっぷり深夜。大会のメンバー(キューバ出身)も待ってくれていて、巨大なポスターや各種チラシがたくさんある。初めてこの大会の様子が分かりました。昨年出演した松井茂さんと一回電話でお話をお聞きしましたが、それ以外どんな催しか野村さんも私も分からなかったのです、ハイ。

さすがにそのまま就寝。

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