酷暑の中、曲作りの日々が(遅々として)続いています。「良いかな?」と言うものはあっという間にできたりしますが、気になるのは、既成の曲に似ているものはないか?ということだったりします。長い間、いろいろな音楽を大量に聴いてきたため、ふとした時に、自作と思っていても既成の曲が出てきてしまうことがあり得ます。あっという間に出てきたものにそういう可能性は増すかもしれません。特に今回は、世の中にあるいろいろな音楽のジャンルやリズムを使おうと思っているのでその可能性・危険性は多い。気をつけなきゃ、申し訳ないことになってしまいます。
あらゆるジャンルにおいて「ではいったい何がオリジナルか?」と言うことはいろいろなテーマを含んでいます。聴き終えた後、観終えた後に「これはオリジナル!」と確信する、その感じと言えるかもしれません。アイヌの美術家・砂澤ビッキさんとチェコの彫刻家・スビニック・セカールさんの造形にハッとするほどの類似を観ますが、剽窃やコピーでないでしょう。
デューク・エリントン、アストル・ピアソラ、アントニオ・カルロス・ジョビン、のような大巨人、モンク、カエターノ、シコ、ミンガス、などなど、好きな作曲家はみんなジャズ、タンゴ、サンバなど自分のジャンル・リズムを持っていますね。それも生まれた土地と時代に根ざしている。うらやましい限りです。身近な人たちでも、そういうジャンルに恋して、はまって、そこにいることが幸せでなんていう人たちはうらやましいです。(前世の因縁でしょうか・・・)
「私はこれです」ということができるようになれたらどんなに良いでしょう。私の場合は「これでもなさそうだな」「あれもちょっとちがう気がする」「こうはなりきれないよな」というベクトルです。全部嘘っぽい、と言われてもしかたありません。
しかし、良いものを作る人、本物によく会えるという強運も持っています。そんな人たち、音たちを繋げる役はできるかと思ったりします。また、即興の瞬間、インスピレーションの瞬間は疑うことができない貴重な瞬間ですし、一生で一つの歌が歌えれば良いという気持ちにも代わりありません。・・・・なんて言い訳の日々でした。