湯布院・別府と回ってきました。湯布院は乾千恵の街となっていました。駅の待合室を兼ねたアートスペース(由布院駅アートホール)では「七つのピアソラ」原画展、街中のギャラリー・カフェ「受け月」では「月・人・石」の書展(しかも本に載っていた川島さんの写真も谷川さんのコトバも揃った完全版)が開かれていました。「受け月」での展示はご家族曰く「理想的」「最高」の展示になっていました。
両方のプロデュースは平野美和子さん。亀の井別荘のスタッフです。由布院の代表的な旅館で「文化人」「著名人」が足繁く通う超ぜいたくな宿。(客20名に従業員100名!ちなみに私は客室でなく通称「ゴロゴロ部屋」です。)
中谷健太郎さんという映画人が元女優の奥様と旅館業を引き受け、行政と戦い、丸め込みながら、由布院全体の活性化(映画祭・音楽祭は30回を超えます)をやってきたそうです。彼は独特の魅力のある人で、エッセイストとしても活躍しています。「七つのピアソラ」と同時に岩波書店から「由布院に吹く風」を出したのも何かの縁なのでしょう。今年の音楽祭の主役チェンバロの小林道夫さんは由布院に家を建ててしまいました。
由布院(行政上は湯布院、地元の人は由布院と言います)に着くと「受け月」に直行。大分県出身の画家・高山辰雄さんの美術館であったこともある建物で現在はチョコレート店・カフェ・ギャラリーとなっています。乾千恵一家と再会。リトグラフの書もとても良いですが、オリジナルはやはり独特のチカラがあります。朽ちていく紙にも味があります。来店していた子供達が書や写真とキャッキャ言って遊んでいます。良い光景です。
荷を下ろし、駅アートホールへ。「乾千恵を囲んで」という催しです。今日は、お父上がスピーカーとなって千恵さんの旅を映像を使って紹介、エッセイを代読しました。プラットホームに時折、赤や黄色の列車がゴーッと入っては出ていきます。それが昔風の窓から見えます。まるで銀河鉄道の待合室のようでした。「次のに乗らなくちゃ」なんて思ったり・・・・。アルゼンチンの旅とフィンランドの旅の映像が終わると、能登川図書館の元館長 才津原哲弘(さいつはらてつひろ)さんが「月・人・石」についてお話をしました。才津原さんは千恵さんの応援団の主要メンバーですね。日本の地域の図書館運動の最重要メンバーです。現在は定年退職し、自然農法に取り組んでいます。とても暖かな人ですが、本当に戦っている人なのだと思います。
会が終わって、亀の井に帰り、施設内にある「天井桟敷」という喫茶室へ行き、とんでもないオーディオセットでピアソラのLPを聴きました。録音時のミュージシャンの息遣いが聴き取れます。オーディオも奥が深いことを再確認。ゴロゴロ部屋の湯につかり、二郎の間で就寝。一日目が終わりました。