ブラジル音楽の中でも、特に好きなシコ・ブアルキさん関係で出会ったのがこの写真集。彼の詩が三点載っているこの写真集はブラジルの土地をもたない労働者達の写真。ここからサルガードさんのほかの写真集「人間の大地労働」(岩波書店)「SAHEL the end of the road」(university of California press)と繋がっていった。
ジルベルト・ジルが文化大臣になってもう5年。政治家をやることがどんなに面倒で、思ったとおりいかないかは簡単に想像できる。普通に生きていれば見えること、聞こえること、感じること、をそのまま音楽に反映させているブラジルの音楽は強い。
アルゼンチンのメルセデス・ソーサが約200年前の国歌を録音したというニュースを聞く。これからこの録音が公式に使われていくという。ニホンをみると、スポーツイヴェントで嬉々として「君が代」を演奏するジャズ・ミュージシャンやポップスの歌手。君が代の時に起立しなかっただけで飛ばされる教師。
今回の録音で「栄光のための死を誓って」が「栄光のための生を誓って」に変えられたそうだ。「ラ・マルセイエーズ」では血なまぐさい表現は変えられていない。
自分の目で観る、耳で聴く・・・
2008/05/27
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3 件のコメント このエントリのコメントを管理
yosaku minatani
サルガドは私の最も好きな写真家の一人です。彼は私と同じ農学部出身で、経済にも非常に明るい方だったと記憶しています。サルガドはその経験を肉体化して、さらに自分を超え出た次元を写真に写しているような気がします。初めて展覧会をみたのは高校時代、前衛的な写真表現とは遠いところに写真の本質的な力を感じ影響されました。彼の所属したマグナムのイメージや報道写真としてこれらの写真を見がちですが、そうではなく、深いところを写した彼の写真は全視野的な生命というところにつながるようです。最近では帰宅してそのとき買ったカタログ写真集をめくってみたくなりました。昼休み、一票投じます!
2008年5月27日火曜日 – 01:20 PM
tetsu
このブログ初コメントありがとうございました。
うれしいものです。
サルガドさんは、世界中にスタッフを配置して、ちょうどいい時にちょっとだけ来て写真を撮っていくんだ、という悪口のようなひがみのような話も聞きました。そういうこともあるのかもしれませんが、こういう形で手に取ることができて私はありがたく思っています。
2008年5月30日金曜日 – 10:18 AM
yosaku minatani
サルガドはあまりに有名なこともあってか、さまざまな批判がなされています。「美しすぎる』等々。普遍を求めることが一つのモダニズムでありつつもラテンアメリカという場所を引き受けつつ複数の言葉、価値観に開かれたもう一つの世界を呈しているように私には感じられるのでしょうか。
ところで、シコブアルキさんとはどのようなうながりだったのでしょうか
2008年5月30日金曜日 – 11:00 PM