朝一で成田空港へ。日曜の早朝だと1時間で着く。(平日昼間だと3時間を超える。)通関から出てきたオリヴィエに初対面。この数ヶ月毎日のように彼の話をし、彼の写真を見、彼の音を聴いてきたので20年来の友達のような感じだ。陽気に話しながら、我が家へ着く。一ヶ月のツアーの始まり。
やーやーやーやーと直前まで掃除をしていた家族に会う。娘は昨年パリで会っている。こうやってこの狭いアパートに外国からの客人を泊めるのも慣れてきたはずだが、物は増える一方で、この狭さはもう限界に近い。一ヶ月つきあうわけだから普段通りにしていなければ破綻する。だらしなさも汚さも受け入れてもらうしかない。
友人Laurence Petit-JouvetのDVDを贈呈するとのこと。見ればなんとペーター・コバルトさんのドキュメントDVD CDセットだ。思えば、ジャン・サスポータスさんとの出会いもペーターさんが仲立ちだった。ペーターさんが、この千恵の輪プロジェクトをささえている影の力になっていることを発見。
幡ヶ谷の蕎麦屋で昼食。散歩して帰ると、すぐにリハーサルしようと言う。元気な人だ。続けざまに3時間リハ。空港への迎えが遅れてはいけないと思い、ろくに寝ていない私の方がバテ気味。
歓迎会は何といっても「塩」。フランス人ミュージシャン・ダンサーの中では5つ星の和食処。我が家から一番近い店が一番旨い店というのは便利で危険だ。ご主人の心づくしの非常に繊細な和食と焼酎のお湯割りで盛り上がる。フランス人はこの繊細さをわかってくれる人が多い。それにしてもこの人も酒が強い!彼とブエノスのタンゴミュージシャンとのつきあいは質・量ともに膨大。ピアソラはもちろん、オラシオ・フェレール、セステート・マジョール、などのさまざまなエピソードを聞く。アルゼンチンだけでなく、ウルグアイの人々の亡命、音楽、政治の話しは新鮮で、すさまじかった。そういえば、フェレールはウルグアイ人、オリヴィエの得意のカンドンベも、長年の共演ピアニストパスクアルさんもウルグアイ人だ。