フレデリック・ブロンディ(4月)ミッシェル・ドネダ(5月)来日記念盤CDRのジャケットが完成。昨晩私のコンピューターで某デザイナーと作りました。盤面のデザインは博多で進行中。いやはや、まったく手作業ですね~。
なかなか良いでしょう。ベースとピアノの位置はこの写真のものが良い。馴れないピアニストは嫌がりますが、音的に良いことは明白。よくグランドピアノの凹みのあたりにベースが配置されてしまいます。ピアニストが弾いたまま、ベーシストを見ることができます。ピアニストが立場上「偉い」事の方が圧倒的に多いため、これが通例になっしまっています。
しかしその位置では、ベースの倍音がピアノの倍音に消されてしまいます。グランドピアノの長い弦のだす倍音とベースの倍音の質が似ているため、強い方が勝つわけです。すかすかになったベースの音で弾くのは辛い。音量が足りない感じがして力が入ってしまう。いい音にはならない。特に優れたPAを使っていて、モニターエンジニアがいて、音を遮る透明のアクリル板があって、など贅沢が許される場合以外は凹みで弾くのは拒否しましょう。
昔、打楽器奏者のMTさんのグループで弾くときも困りました。その頃の彼は、たくさんのドラムスを丹念にチューニングして使っていました。それでベースが全部すわれてしまうのです。音の「悪い」歪んだアンプを使うと喜ばれる。なんということでしょう。もともとベース音の増幅は大変ムズカシイ。いい音で増幅すると、大体の倍音が他の楽器に吸われてしまって、聞こえない。歪んだ音を出すしかない。必要悪としての歪んだアンプ。結局このグループも辞めました。(辞めさせられた?)今はアンプを使う仕事は全くしていません。PAを使う時は、最善のマイクを持参します。音質と音楽と人間は切り離すことはできません。
ベースの話題がもう一つ。ハワイ出身のベーシストで作曲家のピーター・アスキムさんの作品「氷塊は溶け…」~弦楽合奏のため、が5/3東京交響楽団の演奏会で演奏されます。ハワイコントラバスフェスで会いました。ナイスガイです。ISB(国際ベーシスト協会)のソロベースコンペティションでの課題曲を作ったり、今は作曲家の方にどんどん移行していてます。ベーシスト出身の指揮者・大友直人さんの要望だったそうで、なかなかいい話ですね。ベーシスト出身の指揮者は何人かいますが、ベーシスト出身の作曲家はあまりいないようです。(一番の作曲家はチャーリー・ミンガスでしょうか。有名どころはギャビン・ブライヤーズ。)ベースで良い音がでると、それだけで充分満足できてしまうためでしょうか。かつてバリ島で大きなゴングに魅せられ、買おうと思いましたが、止めました。「これを1回叩いてしまうと、もう音楽はいらなくなる」気がしたからです。