シンガポール便り

私は数年ぶりに訪れたのでその変化は驚くほど。ドンドンお金持ちの移民を受け入れる政策をとっていることが拍車をかけているとのこと。逆にアーティストやインテリ層はドンドン海外に流出しているそうです。本当に資本主義の実験室のようです。バンクーバーにいったときダウンタウンが香港からの移民ばかり(歩いている人の半分以上に感じた)だったのに驚きました。よく言われることですが、これからの世界は中国人たちが決めていくかもしれない。

ザイとタイ料理屋台で食事をし、夜の海岸を散策。日曜の夜だけに家族連れがあふれるばかり。ここではイスラム系(マレー系)が目立つ。最近の状況の話を聞く。なんとこのモザイクミュージックフェスティバルでさえ、オルタナティブなんだそうだ。完璧にコマーシャルなモノだと思っていたのでビックリ仰天。日本からもブラジル系音楽で売り出し中のsaigenjiも無料のコンサートに出ている。モントルーフェスからtower of powerも来ている。まあ、いろいろな思惑が入り乱れたフェスティバルということなのだろう。私が居ることのほうがとても不思議。ただそれだけなのだ。

共通の友人達の情報交換して、早めにホテルに帰った。訂正がもう一つ。エクスプラネードは国立劇場ではないそうです。また、私が今ここにいる大本はザイだったことが判明。ザイが自分と私での企画を立てたのだが、ソロの方が良いと考えを変えたということ。発案当時のスタッフがもういないので、わからなかった。たくさんの頭の良さそうな眼鏡をかけた中国系女性スタッフがテキパキ働いている。ドンドン入れ替えがあるのだという。音を立てて進む資本主義、徴兵制などでとてもストレスの多い社会、自殺率もとても高いという。私がかつて演奏したことのある場所をもっている演劇グループは何と全員がホモセクシュアルかレズビアンなのだそうだ。参った。

日はあけて12日、キューバ出身のミュージシャン、オマール・プエンテ(ヴァイオリン)、ロンドンのロバート・ミッチェル(ピアノ)、エンジニアのスティーブと会い、共演曲のリハーサル。一曲ずつ持ち寄ると言うことで始まった。ラテンのビートと変則拍子のオマールの曲、ミニマル音楽のようなロバートの曲、私はキューバに敬意を払って昔書いたハバネラの曲「リア王復活のテーマ」をだした。
まあまあうまくいった。それにしても何回も練習する奴らだ。ともかく劇的にしたがる。お客が喜びそうなことを始終考えているのだろう。

オマールが普通のヴァイオリンを置き、電気ヴァイオリンにすると、私の耳が悲鳴をあげる。普通のヴァイオリンでやればいいのに電気を通し、イフェクターをいくつも通す。急に興味も萎えてしまった。オマールは今はイギリスにいる。つまり多くの亡命ミュージシャンのひとりだ。むべなるかな。

結局私は、客寄せの無料のコンサートをお断りした。二人でやってもらう。コンサートは私のソロ40分、彼らのデュオ40分、共演25分となった。しっかりつとめます。

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