トゥールーズでのソロ。
かつてフリブストという組織だったが、今はIREA(インプロ・リサーチ・エクスチェンジ・アーティスティック)という組織になった。かつてアヴィニヨンとローデスで共演した演劇人ミッシェル・マチューさんが私財をなげうってle RINGという場所を確保した。IREAもそこを使っている。
ローデスではアントナン・アルトーの記念市街劇を一緒にやったマチューさん、脚を痛めていて心配だ。本人はいたってポジティブ「脚を切ったらそれを使って演出するのが楽しみ」と。本当にみんなポジティブだ。ドネダと一緒にレーベルをやっているピエール・オリビエ、ル・カンニン、役者のジャン・マーク、懐かしい顔が並ぶ。今年はそれに加えて、岐阜の瑞浪からこちらに移住した陶芸家・高橋利通さんも奥様メルセデスさんと一緒にいる。
トゥールーズは、カルロス・ガルデルの生まれた場所だな、なんて思い出していたら、今日の照明担当がコルドバ出身のアルゼンチン人。奥方がタンゴダンサーでこちらで働いていて今日にも出産ということ。今日も乾千恵さんの「月」を掲げた。それに興味を持った照明が意味を尋ねたり、黒澤明ファンの彼は「明」という字を知っていて月と日で明になることを教えると、いたく感激して子供にはakiraと名付けると決めた。
翌日はポアチエでドネダ・フレデリック・ブロンディと二回目のトリオ。ポアチエでの場所はインプロ筋ではとても有名なところだ。しかしここのチーフがつい最近亡くなってしまった。11月にバールのトリオ(ウルス・とジャック)がやったときは何ともなかったそうだ。それ以降初のライブということで、ミッシェルもスタッフもちょっと違う。人の生と死がつきまとうツアーだ。フレデリックも絶好調、こういうピアニストはなかなかお目にかかれない。日本での反応がとても楽しみだ。是非ご来場くださいね。チーフの死もあって、この時は二回分たっぷり演奏した。終わってからの会食、選挙が近いので政治ネタで大いに盛り上がっている。こちらは眠たい。まだまだツアーも半分に満たない。