誕生日割引をつかって10/27当日に旭川入り。同じ誕生日の大野一雄さんは100歳!バール・フィリップスさんは72歳。51歳の私はまだまだひよっこ。ほとんど徹夜、ほとんど始発、汗びっしょりで楽器をかつぎ地下鉄を乗り継いで羽田へ。京急から日の出が拝めたのにもう通勤ラッシュが始まっている。JALの楽器箱に無事楽器をほうり込む。機中、来年シンガポールでのたった一回の公演なのに32枚の契約書にサイン、パリのメゾン・ド・ジャポンへ写真送付の手紙を書く。何だかずいぶん忙しいミュージシャンのような錯覚。そんな幻想を破るアナウンス「旭川の現在気温はマイナス3度です。」東京と20度以上の差。あわててセーターの用意をする。そう言えば今年3月には、釧路の翌日ハワイというのもあったし、5月のアラスカでは雪を体験している。なにせ飛行機は速すぎる?良いんだか、悪いんだか。
日程が合ったため全家族(といっても三人)での久しぶりの旅行になった。旭川のアートスペース「モケラモケラ」の企画で道北ソロツアー。舞踏の工藤丈輝クン、書の乾千恵さんなど共通の友人が多く、今回は是非ソロで「人と自然に出逢うこと・種を蒔くこと。」をして欲しい、キビシイ冬を迎える前に音を聴きたいと言ってもらった。どれだけ出来るか分からないが、そういう要望には何を置いても参加させてもらうしかない。
迎えに着てくれたモケラ峰子さんの案内でまず旭岳へ向かう。
朝の畑からは霧がモウモウと立ち上っている。全く違う風土だ。郵便局でシンガポール、パリ、東京に郵便物を送ると今までのすべての関係を断ち自由な旅人になった気になる。これも幻想だが・・・。旭岳ビジターセンターhttp://www.welcome-higashikawa.jp/vc/でメガネのオシャレなキクチさんの案内で長靴を履き、少し散策。自然の細かな変化を教えてくれる。暴風で木が倒れていたりして最近の自然の変化を感じる。旭川から雀が消えたという話も聞く。こういう自然豊かなところからジワジワと何かが始まっているのか。雀は何を予告してくれているのだろう。
モケラモケラに向かう。まだお昼だ。美術家で養護学校の教師もしているイタヤンと元音楽教師の峰子さんが自宅を開放してアートスペースを作った。体育館のような手作り自宅(北海道は広い)で画廊、演奏会、読書スペースなどこだわりの企画していて、私も過去二回井野さんとのデュオでお世話になった。
真っ黒な犬のクーがいつも大歓迎してくれる。黒猫のチビとクロもいる。オサラッペ川あたりをクーと散歩。ここ嵐山はアイヌの人たちの聖なる山でこの付近はアイヌゆかりの場所が多い。「旧土人法」!なるもので、「土地を与える」と騙してアイヌの人たちを囲って住まわせるという計画もあったそうだ。カムイコタンも近い。野生に戻るかのような元気なクーとの激しい散歩が終わるとゆったりする。夜、主要スタッフで漆作家の堀内亜里子さんも来て食事と誕生会。ケーキもあり、もうそんな歳でもないがありがたくうれしいもの。アルコールの回りが早く就寝。
ちなみにイタヤンは東京で個展を開きます。板谷諭使展 2006年 12/7~12/24(木・金・土・日開廊)ART M.土日画廊 http://www.k5.dion.ne.jp/~donichi/ 中野区上高田3-15-2 電話03-5345-1842 新井薬師前駅近く