2006.03.30 Thursday

釧路からハワイ

斎藤・井野および二台の楽器、無事に帰国しました。フーッ。
楽器二台での移動はなかなかのものがありました。釧路の写真が届きましたのでそれもアップします。思えば釧路の翌々日にはマウイ島でコンサートをしたわけで、二人合わせて100歳・200キロを超えるものにとってキツイのは当たり前。よくやったと自ら褒める。

3/18 超過重量の負担を減らすため、手荷物を預けないよう機内持ち込みのみの軽装。家の扉をずっとふさいでいたハードケースを出して楽器を積む。10年ほどホンダのステップワゴンを運転しているが、これは正にベーシストのための車。ソフトケースだと三台・三人乗る。(バール・フィリップスさんとのオクトーバーBASSトライローグツアーで九州まで行ったことがある。)今回はスティーブンスンのハードケースを二台積んで二人乗ることが出来る!時間の余裕も充分に取って早々に到着。空港ターミナル受け渡しの駐車場を利用。ここまでスムーズ。

いよいよチェックイン。やっぱり問題発生。超過重量・超過サイズは1ユニット16400円で計算されることは事前の調査で分かっていた。しかも航空会社によってユニットの数え方が違う。予約した段階では2ユニットで確約が取れていたのに、現場でなんと4ユニット!を請求された。3ヶ月かけて問題の無いようにしたのに、結局これだ!ここからが勝負。なんとかねばって3ユニットで合意したときにはすでにうっすら疲労感が漂う。第1ラウンドクリアの祝杯をあげても、ケンカした後や交通事故にあった後のような興奮状態が抜けない。

航空チケットはハイシーズンや人気路線では値段が上がる。航空商売は、「需要が増えると価格が安くなる」という資本主義を完全否定している水商売なのだ。まともに対応しても仕方がないわけだ。実際、帰路は二台で504ドル。ほとんど半額だぜ。まいっちまう。

ラッキーなことに非常口シートが取れて、足を伸ばせる。これは二人のような体型の者にとってはとてもうれしいこと。時差の関係で18日の夜に出発し、18日の朝にホノルルに着く。迎えのクルト(スイス人、舞踏をテーマに博士論文を書いている。日本でも会ったことがある。)とフミ子(このフェスティバルのボス。母親が日本人、父親がネイティブ。ヴァイオリン奏者。)に無事会う。半年かかったやりとりにフミ子とのハグは一分以上続いた。お互い文化の違い、コトバの違いを乗り越えてともかくこの地を踏んでいる、との事実に感動したわけです。そう言えば、二年前は午前と午後の勘違いで迎えが来なかったな~。

今回もカイルアにあるキモさんのビーチハウスに宿泊。カイルアはワイキキの反対側にある。そのためこの10日間で日本人観光客にはほとんど会わない。池澤夏樹さんの本にあるようなハワイイを体験するわけだ。二年前もここでバール・フィリップス親子、グレン・ムーア、マーク・ドイッチェらとBASS色の濃い宿泊をした。↑の写真はキモさんの庭に横たわる二台のベース。

夜、フランソワ・ラバト、ジョン・クレイトン、ポール・エリスン、パリ・ニューヨークの楽器屋などゲストのほとんどがこのビーチハウスに来て、食事会。ベーシストが集まると、まず話題は超過重量。「どうだった?」「おれは、二時間ねばって半額にしたぜ」「80ドルで済んだ」など真剣に話し合う。ベーシスト同士、なにか微笑ましい。

ヒステリックになるアメリカ入国イミグレーション問題にも話は及ぶ。私の経験だと、一昨年ビザのある人限定だった指の指紋、目の写真が昨年から一般客に強制、今年はさらに進んで宿泊先をコンピューターに入れねばならないこと、そして飛行機の中では立ち上がって集まってはイケナイだとさ。「申し訳ない」とアメリカ人ベーシストが謝ったり、と思うとすぐに話は変わって弓の持ち方や弓製作者についてもりあがったり。出国後はじめてリラックスできた気がする。

「指紋問題」でこぼれ話があります。昨年、沢井一恵さんとニューヨークに行ったとき、一恵さんが入国審査からなかなか出てこない。長年の箏演奏で指の指紋が消えてしまっていた!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です