2006.02.25 Saturday

曲目解説 1、ストーンアウトより序章~トンビ

実はCDにライナーノートはありません。ご興味をもたれた方にはこういうかたちでお知らせしようと思います。文章が多いと印刷代がかさむことも理由です。
まずは曲目解説

トラック1 「ストーンアウトより序章~トンビ」 KOTO VORTEXによる委嘱。韓国東海岸のシャーマンの首領・金石出(キム・ソクチュル)さんに捧げた45分かかる長い作品の冒頭部分です。(題名はダジャレです。おわかりですよね)箏合奏からフルオーケストラまでいろいろなかたちで演奏してきました。韓国伝統音楽のリズムパターン(長短)を使い、カヤグムの音をまねた奏法も工夫しました。このCDのマスタリングの5日前、金石出さんが亡くなったことをカン・テーファンさんから聞きました。韓国のジャーナリズムもほとんど取り上げなかったそうです。カンさんも安淑善(アンスクソン)さんに聞いたそうです。とても寂しく哀しいです。

私の韓国音楽体験は音楽人生の中で最大の契機と言えるかも知れません。音楽は素材を組み合わせたものではない、全てのリズムには意味がある、場をつくることが演奏で満足するより大事、音の効果をねらうことのむなしさ、Jazzアドリブにみられる自己表現の限界と自分勝手さ、健やかで自然と調和する音楽、身体や心を治していく音楽、シャーマンの生活、植民地時代の実態、などなどなどなど多くのことを学びました。そのお礼の意味で作った曲でした。存在してくれているだけで刺激になる「巨匠」がどんどんいなくなる時代ですね。合掌。

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